彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)


「菅原さんは、名前・・・・『凛』って言うんだったよね?」

「はい。吉田さんは、『都史子(としこ)』ですよね?」

「うん!あんまり名前で呼ばれることはないけどね~みんな『よっちゃん』って呼ぶから。」

「そうでしたか。」


本当にそう呼ばれているか、クラスが違うのでわからない。

委員会は同じだけど、そこまで仲良くなる前に、リーマン・ショックならぬ渕上・ショックが起きたからわからない。



〔★どちらのショックも、人の人生を破綻させている★〕



「それで、えーとね・・・・菅原さんさえよかったらね、私のこと・・・『よっちゃん』って呼んで!」

「え?」


吉田さんの言葉に、かなりびっくりした。


「あ、別に、今まで通り、吉田さんでもいいから!菅原さんの好きにしていいから・・・!ご、ごめんね!馴れ馴れしかったかな・・・?」


あだ名で呼んでと、提案されたことに。


「い、いいえ!そういうわけじゃないのですが・・・」

「じゃあ、なに?呼びにくとか?」

「えーと・・・その・・・人に聞かれると、後が怖いので・・・」

「え?」

「・・・・・・・私があなたをあだ名で呼んでいたら、仲がいいって小村さんとか・・・渕上ルノアさんに思われちゃうじゃないですか・・・・?」

「あ・・・」


危険じゃないですか?と付け足せば、吉田さんのみけんにしわが寄る。

話を蒸し返すわけじゃないけど、吉田さんは一度、渕上ルノアが怖くて、私から逃げている。


渕上ルノアにいじめられるのが嫌だから・・・私に暴言を吐いた。



(自分の身を守るために、保身にまわった吉田さんの気持ちは・・・・・わかる。)



お金持ちのお嬢様で、レディースの総長で、見た目も良い奴、敵に回せばどれだけ不利かわかってる。



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