彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)
瑠華さんに会うため、凛道蓮スタイル㏌サラサラヘアーで、NPO法人未来の事務所へ向かっていた。
もちろん、ご挨拶するのは彼女だけじゃない。
瑠華さんが所属するNPOの代表者でもある渡瀬さんにも、気持ちばかりのお礼を用意して出掛けた。
以降、渡瀬さんが代表を務めるNPOが、なんとかの認可が下りたとかで、活動しやすくなったらしい。
瑠華さん経由で、丸山さんも時々来ていて、今日あたり、来るかもしれないと連絡を受けた。
映画の件でお礼をしたいからうかがいたいと言えば、OKスタンプで返してくれた年上のお姉さん。
アポなしよりも、アポを取ってからたずねた方が、相手も助かるよね?
だから、瑠華さんへのお礼とNPOのみなさんと丸山さん達への差し入れを持って向かっているんだけど・・・
(あてが外れたな~・・・)
瑠華さんにお礼をすると決めた以上、瑞希お兄ちゃんにも同行して頂こうと思った。
いつものように、『瑞希の店』の瑞希お兄ちゃんの元へ行き、お礼参りという名目で打診した。
「鳴神瑠華さんへの礼?」
「はい!僕ら2人、チケットをプレゼントされたじゃないですか?だから、2人で一緒に彼女へのお礼を用意してはと思いまして!」
「おー凛は気が利くなぁ。」
なので本日も、瑞希お兄ちゃんに会うため、お店のお手伝いをするために凛道蓮になっていた。
「つーか、オメー、俺のとこに来て大丈夫なのか?五十嵐は、夏休み明けのテストがあかーんって、騒いでたけどよ?どこの学校も、テスト中じゃねぇーのか?」
「大丈夫です!」
テスト期間中ではあったけど、出題されるのは1学期に習った内容の総集編のようなもの。
だから、ある程度見直しをしておけば大丈夫。
「むしろ、ヤマトが瑞希お兄ちゃんに泣きついたのですか?」
(私を差し置いて、瑞希お兄ちゃんに接触したのかよ・・・!?)
あんなに勉強見てやったのに・・・
(てか、私だって瑞希お兄ちゃんと気軽にLINEとから連絡したいのを我慢してるのに!!ヤマトめぇ~!!)
〔★凛の怒るポイントはズレている★〕