彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)



胸がチリチリする状態で聞けば、あっけらかんと瑞希お兄ちゃんは言った。



「単に、『あかん』って文字入りの号泣スタンプが来ただけだ。でもよ、凛が勉強教えてたよな?」

「教えました。予習と復習両方を、です。」

「ははは!そりゃあ、大変だったな~凛?」


そう言って、私の頭をなでなでしてくれる好きな人。


「凛はえらいなぁ~よしよし♪」

「あ、頭として、仲間の面倒を見るのは当然ですので~♪」


瑞希お兄ちゃんからのいたわりで、私の胸のチリチリは消滅した。



〔★凛の嫉妬が終結した★〕



「ほどほどにしとけよ?じゃあ、鳴神瑠華さんへの礼についてだが~」

「はい!早い方が良いと思うのですが!?」

「そうだな。さすが、凛。俺が思う通りの律儀な良い子ちゃんだぜ。」



私の提案に笑顔でうなずくと、私から手を放して離れる瑞希お兄ちゃん。


(あ~!!もっと触っててほしかったのに・・・!!)


名残惜しい気持ちで、彼を目で追う。

瑞希お兄ちゃんは冷蔵庫を開けると、慎重な動作で『それら』を取り出した。


「凛がそう言うと思って、用意しといたぜ?」

「え?」


私に笑顔を向けながら言う瑞希お兄ちゃん。

彼が冷たい家電製品の中から取り出したのは大きな3つの紙袋。

私の目の前のテーブルに静かに置いた。



「瑞希お兄ちゃん、これは・・・?」

「おう。オメーが言った鳴海瑠華さんへのお礼の品だ。」

「え!?もう準備されてたんですか!?」

「まぁな。俺は勤勉な日本人だからよぉ~?」

「さすがです!瑞希お兄ちゃん!!」

ますます惚れてちゃいます!


「ははは!ありがとよ~」



中をのぞけば、色違いのリボンで、キレイにラッピングされた3つの箱があった。



< 164 / 922 >

この作品をシェア

pagetop