彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)


「瑠華さんが『凛へのお礼は映画』ってことだったが、『何についての凛への礼』なのかはわかってる。つーか、凛の方が瑠華さん達に礼しなきゃダメだろう?凛も、瑠華さん達向こうさんに、面倒かけたのはわかってるよな?」

「そ・・・それは~」

「特に代表者である渡瀬さんは、家出少女達の誘拐拉致監禁して薬を使って売春させていた事件ではフォローを、丸山さんには現場での協力をしてもらったんだろうー?」

「あ・・・あの・・・渡瀬さんとはお知り合いで・・・!?」

「俺が、女探偵と知り合いなのを忘れたか?」

「えっ!!?」


女探偵と知り合いって――――――


(あくまでも、女探偵は自分の知り合いというスタンスなのは守るのね!?)

出来る男は、1人2役をきっちり演じ切るということですか!?

素敵~!!演技派な瑞希お兄ちゃんも、好・き♪



(―――――いやいや!それはそれとして!今、気にする点はそこじゃなかった!)



瑞希お兄ちゃんに惚れ直しつつも、状況確認のために聞いた。


「いつの間に!?」


そう、それ!いつの間に、連絡取りあったのかっ!?て話よね~!


「そりゃあ、映画をおごってもらってすぐに、NPO法人未来に連絡したんだよ。」

「早っ!?本当に即、接触したのですね!?」

「まぁな。『時は金なり』って言うからな?アポなしよりも、アポを取ってからたずねた方が相手も助かるだろう?」

「さすが瑞希お兄ちゃん!気遣いが神対応過ぎます!」

「ははは!それ、常識だからな?出来て当たり前だから、ちゃんと覚えとくんだぞ、凛?」

「はい!瑞希お兄ちゃんの教え、心に刻みました!」



優しく謙虚に言う相手に愛しさが増す。

そう思うと同時に、女探偵とは別人設定を律儀に守っていることが可愛く思えた。



〔★凛の瑞希への愛しさが増量された★〕


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