彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)


「ぼっ、僕1人で、お礼の品をお届けに行けというのですか!?」

「おう。店の用意はいいから届けてくれ。場所は知ってんだから、1人で行けるだろう?」

「そうですが!!僕と瑞希お兄ちゃんの2人が受けた恩恵ならば、2人一緒に行くのが通りなのではないでしょうか!?」


(せっかくの2人きりになれる口実!のがしてなるものか!!)


「そりゃそうだけど、俺は店の準備があるから無理だ。」

「だったら、閉店後に一緒に行きましょう!?」

「はぁ?オメー、今日行くって、鳴海瑠華さんにLINEしたって言っただろう?閉店後だと、日付変わんだろう?アポ取った意味もなくなるじゃねぇーか?」

「そっ、そうですね・・・!」



〔★瑞希の天然攻撃、凛の食い下がりを撃破した★〕



(てっきり、2人っきりになれると思っていたのに・・・・)

「思い通りにはいかない、わが『想い』・・・・!」

「あ?そんなに『重い』か?それ?」



気づかなくても良いひとり言に気づき、私に手渡した紙袋を指さしながら聞く瑞希お兄ちゃん。

そういえば、このお礼の品って――――


「あの、この袋の中身達は―――――・・・?」

「ああ。女性の鳴海さんには人気の店のミニホールケーキ、渡瀬さんにはせんべいの詰め合わせとお米券セット、丸山さんには火が使えなくても食べれる携帯食品だ。」

「え?なんで、渡瀬さんだけ2つですか?しかもお米券??」

「あの人、家出少女だけじゃなく、DVとかで逃げてきた女性をかくまう活動もしてんだよ。そうなると、食費が大変だろう?NPOに現金渡すのはNGらしいから、現物支給化、ギリセーフでお米券だ。」

「そうなんですか!?」

物資援助が充実してる!!


(てか、そこまで、やり取り進んでるの!?)



〔★瑞希はフットワークが軽かった★〕


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