彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)
「丸山さん、大丈夫でしょうか・・・?」
「大丈夫だ。。」
私の不安を、瑞希お兄ちゃんが打ち消すように言う。
「そこらへんは、渡瀬さんがついてるから心配すんな。なぁ?」
「・・・うん。」
「ホームレス続けるのも・・・理由があるんだろうぜ。事情は人それぞれだから、凛が丸山さんの生活スタイルに口出しはするんじゃないぞ?いいな?」
「はい・・・わかりました。」
「まぁ・・・そうは言っても、丸山さんの方も凛のことを気にしてるみてぇだからなぁ~」
「僕をですか?」
「おう!安心させてるためにも、手土産持って会いに行って来い!」
ポンと肩を叩かれ、送り出す言葉をかけられたけど・・・・
「1人でですか?」
「なんだよ、不満か?」
不満だけど、言葉には出さない。
出せない。
嫌われても困るので、無難な問いを投げかけた。
「瑞希お兄ちゃんは?」
「あん?俺は店の準備があるって言っただろう?何度も言わせるなよ。」
「そうですねぇー・・・」
呆れながら言われ、覚悟を決める。
絶対に早く帰ってくると!!
〔★渡すことではなく、瑞希の元へ戻ることが目的となった★〕
「ほら、元気出せ!ケーキは気をつけて持てよ~?高かったんだからな?」
「そうですか・・・わかり・・・あ!お礼の品、いくらかかったんですか?僕もお金を出―――――!」
「出さなくていい!」
「え!?でも!」
「凛のお小遣いから引いておくから。」
お小遣いって言うのは、私が生活保護を受けている家の子供だと思っている瑞希お兄ちゃんが、お小遣いと言う名目で出してくれているお金。
履歴書をかけない私が、苦し紛れで言った言いわけを信じて、バイト代ではなく、お小遣いとして、瑞希お兄ちゃんが渡してくれるお金。