彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)


「それだと、僕の財布から出したことにはならないのでは・・・?」

「なに言ってんだ?凛のお手伝いに対する報酬だぞ?バイト代じゃねぇーだろうが?」

「えーと・・・その・・・」

「凛が可愛いからやってる『小遣い』なんだよ!そこから引いてるから安心しろ。」


(ウソくさいなぁ・・・・)


直感でそう思った。

きっと、瑞希お兄ちゃんは自腹で用意してる。

まだ数か月の付き合いだけど、なんとなくわかってきた。

瑞希お兄ちゃんが、本当のことを言ってるかどうかを。

でも、それを指摘したところで、お兄ちゃんは私のお小遣いから引いたと言い張るのもわかっていた。



「瑞希お兄ちゃん、僕、お手伝い頑張ります!何でも言って下さいね!?」


だから、そう宣言して引くしかなかった。


「ははは!頼りにしてるぜ?」

「はい!」


瑞希お兄ちゃんの言葉に同意して、手土産3袋を両手に持つ。



「気をつけろよ、凛。特に、鳴海お姉さんへのお礼はよ~」

「あ、ケーキでしたよね?」

「おう。女は、甘い物が好きだからな~」

「なるほど!さすがお兄ちゃん!」

「いいから、早く行って来い。凛の単車、表に出てるからな。」

「え!?ガレージから出して下さったんですか!?ありがとうございます!」

「俺じゃねぇけどな~?」



感心する私に笑いかけると、お店の戸を開けてくれる好きな人。



「あ、なにからなにまで、すみません!」

「いいって。自力で開けるの、大変だろう?」



(両手で手がふさがってる私への思いやり・・・ますます惚れた!)

優しいあなたを愛してるー♪



〔★瑞希への好感度が上がった★〕



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