彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)


ドアを開けてもらい、これぞレディーファースト気分で外へ出る。



「お、凛たん準備万端か?」

「え!?烈司さん!?」



外では、ガレージ前で私のバリオスを触っている先輩がいた。

いると思っていなかったので、びっくりした。



「烈司、整備終わったか?」


しかし、瑞希お兄ちゃんの方はそうでもなかったようだ。

驚いている私の後ろから外へ出ると、烈司さんを見ながら瑞希お兄ちゃんは言う。


「乗れるか?」

「もち、OK~!凛たん、乗っていいよー」


瑞希お兄ちゃんにウィンクで答えると、おいでおいでと私を手招きする烈司さん。

そんな2人のやり取りで、私も察した。



「え?あ、わざわざ、点検をして下さってたんですか?ガレージから単車を出してくれたのもそのため・・・?」

「んな大げさな~♪俺が好きでしたから、凛たんは気にしなぁーい♪」

「いえ、ありがとうございます!感謝します。」

「いいからいいから。お使い行っておいで。」

「え!?烈司さんもご存じなんですか!?」

「んーだから、整備してたってとこかな?バラさんにうっかり見つかっても、逃げ切れるようにって瑞希がさ~」

「烈司!!」

「お兄ちゃん・・・・!」



ニヤニヤしながら言うヘビースモーカーに、キュートなイケメンが真っ赤な顔で怒る。

それで、瑞希お兄ちゃんからの愛の不可さんを痛感する私。




「瑞希お兄ちゃん、大好き!」

「わ!?」




ギュッと抱き付きながら、愛しいお方へのお礼のコメント。



「こ、こら、凛!」

「えへへ!烈司さんもありがとうございます!」



照れる瑞希お兄ちゃんから素早く離れて、烈司さんにもお礼の敬礼。


「どーいたしまして。はい、半ヘルメット。」

「ありがとうございまーす!」


瑠華さんへのケーキに気をつけながら、お礼の品を単車に積んでまたがる。



< 172 / 922 >

この作品をシェア

pagetop