彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)
ドアを開けてもらい、これぞレディーファースト気分で外へ出る。
「お、凛たん準備万端か?」
「え!?烈司さん!?」
外では、ガレージ前で私のバリオスを触っている先輩がいた。
いると思っていなかったので、びっくりした。
「烈司、整備終わったか?」
しかし、瑞希お兄ちゃんの方はそうでもなかったようだ。
驚いている私の後ろから外へ出ると、烈司さんを見ながら瑞希お兄ちゃんは言う。
「乗れるか?」
「もち、OK~!凛たん、乗っていいよー」
瑞希お兄ちゃんにウィンクで答えると、おいでおいでと私を手招きする烈司さん。
そんな2人のやり取りで、私も察した。
「え?あ、わざわざ、点検をして下さってたんですか?ガレージから単車を出してくれたのもそのため・・・?」
「んな大げさな~♪俺が好きでしたから、凛たんは気にしなぁーい♪」
「いえ、ありがとうございます!感謝します。」
「いいからいいから。お使い行っておいで。」
「え!?烈司さんもご存じなんですか!?」
「んーだから、整備してたってとこかな?バラさんにうっかり見つかっても、逃げ切れるようにって瑞希がさ~」
「烈司!!」
「お兄ちゃん・・・・!」
ニヤニヤしながら言うヘビースモーカーに、キュートなイケメンが真っ赤な顔で怒る。
それで、瑞希お兄ちゃんからの愛の不可さんを痛感する私。
「瑞希お兄ちゃん、大好き!」
「わ!?」
ギュッと抱き付きながら、愛しいお方へのお礼のコメント。
「こ、こら、凛!」
「えへへ!烈司さんもありがとうございます!」
照れる瑞希お兄ちゃんから素早く離れて、烈司さんにもお礼の敬礼。
「どーいたしまして。はい、半ヘルメット。」
「ありがとうございまーす!」
瑠華さんへのケーキに気をつけながら、お礼の品を単車に積んでまたがる。