彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)
「凛、ちゃんと乗れたか?バランス平気か!?」
「大丈夫です。」
「安全運転で行けよ?店の方は気にしなくていいから急いでがないで事故るなよ!?開店時間よりも安全運転を優先するんだぞ!?いいな!?」
「わかりました。」
「今日もあちぃーから念のため、アクエリアスを飲んで行け!ほら、くわえて吸え!吸え!」
そう言って、袋タイプのパウチ容器に入ったスポーツドリンクを差し出す瑞希お兄ちゃん。
「わぁ~ありがとうござい―――!」
「動くな!不安定なんだから転ぶぞ!?口開けろ、口!」
「ぶっ!?」
というか、ひねって開けて下さったパウチ容器を、私の口元に押し込んでくれた。
「あ、あぃがほぉごぉはいまふ・・・!」
「気にすんな!ほれ、一気に吸え!」
「は、はい!いただきまーす♪」
言われるがまま口にくわえ、チューと吸い込んだ。
(瑞希お兄ちゃんが手に持ってくれた状態で、私に飲ませてくれるなんて・・・幸せの極み♪)
「どこまで過保護だテメーは?兄じゃなくて、母じゃねぇーの?」
「うっせぇ!」
冷やかす烈司さんに、堂々と言い返すところがまたステキ!!
「よし、飲んだな!?行って来い!」
そう言うと、私の頭に半ヘルメットを頭に装備して下さる愛しいお方。
「はーい!いってきまーす!瑞希お兄ちゃん!」
バウンバウ―――――――ン!
ウキウキ気分でエンジンをかける。
(今の私の胸の高鳴りだったら、爆音バイクと勝負しても勝てる気がするー♪)
〔★凛は恋による錯覚を引き起こしている★〕