彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)


「凛、ちゃんと乗れたか?バランス平気か!?」

「大丈夫です。」

「安全運転で行けよ?店の方は気にしなくていいから急いでがないで事故るなよ!?開店時間よりも安全運転を優先するんだぞ!?いいな!?」

「わかりました。」

「今日もあちぃーから念のため、アクエリアスを飲んで行け!ほら、くわえて吸え!吸え!」


そう言って、袋タイプのパウチ容器に入ったスポーツドリンクを差し出す瑞希お兄ちゃん。



「わぁ~ありがとうござい―――!」

「動くな!不安定なんだから転ぶぞ!?口開けろ、口!」

「ぶっ!?」



というか、ひねって開けて下さったパウチ容器を、私の口元に押し込んでくれた。



「あ、あぃがほぉごぉはいまふ・・・!」

「気にすんな!ほれ、一気に吸え!」

「は、はい!いただきまーす♪」



言われるがまま口にくわえ、チューと吸い込んだ。



(瑞希お兄ちゃんが手に持ってくれた状態で、私に飲ませてくれるなんて・・・幸せの極み♪)



「どこまで過保護だテメーは?兄じゃなくて、母じゃねぇーの?」

「うっせぇ!」


冷やかす烈司さんに、堂々と言い返すところがまたステキ!!



「よし、飲んだな!?行って来い!」



そう言うと、私の頭に半ヘルメットを頭に装備して下さる愛しいお方。



「はーい!いってきまーす!瑞希お兄ちゃん!」


バウンバウ―――――――ン!




ウキウキ気分でエンジンをかける。


(今の私の胸の高鳴りだったら、爆音バイクと勝負しても勝てる気がするー♪)



〔★凛は恋による錯覚を引き起こしている★〕



< 173 / 922 >

この作品をシェア

pagetop