彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)
信号が青に変わったけど、進めないまま、立ち尽くすしかない私。
「どうしよう・・・ケーキ・・・年上のお姉さんは、甘い物はダメなのかな・・・?」
瑠華さんを思い浮かべる。
まったくダイエットは必要ない体型。
ボン・キュ・ボン!のルパン三世に出てくる峰不二子ちゃんみたいなセクシーなスタイル。
(・・・いやでも・・・芸能人でも、やせてる人でも、ダイエットしてる人いるからな・・・・)
どうしたものかと、信号の側から、道の片隅に移動する。
(・・・・瑞希お兄ちゃんに恥をかかせないためにも、私の独断で瑠華さんへの贈り物は変えるべきなのだろうか・・・?)
変更するべきかどうか考える。
(変えるなら、変えるでいいと思うけど・・・何にすればいいの?)
生ものがダメなら・・・日持ちするものならいいのかしら?
クッキーの方が良い??
〔★生菓子が焼き菓子に変るだけだ★〕
いやいや、待って!
クッキーも大体、カロリー高くない?
脂肪にならない物の方がよくない?
そもそも、私、年上の女性に知り合いとか~贈り物したことないからわからないよぉ~!
(どうしよう・・・なにか代わりに、お礼になりそうなものがどこかに―――――――!?)
「ありがとうございました!またお越しくださいませ~!」
煮詰まる頭で立ち尽くしていたら、真横からそんな声がした。
ハッとして、お礼とお見送りの声がした方を見れば――――
「雑貨屋さん・・・・」
ちょっとだけ中をのぞけば、キレイなお姉さん達が楽しそうに商品を選んでいる。
大人っぽいアクセサリーが、店内を埋め尽くしていた。
―どうせもらうなら、アクセサリーがいいけど~―
さっきの2人の会話がよみがえる。
「よし!」
予定変更!!
瑞希お兄ちゃんが自腹を切ったんだから、私も自腹を切らなきゃ!
(甘い物がNGだった時の保険のために、食べ物以外も買っておこう!!)
そう思って、女性ばかりの店内に足を踏み入れた。