彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)



「いらっしゃいませ~」


優しい声で、可愛い店員さん達がお出迎えしてくれた。


(なんか・・・・チラチラ見られてる気がするけど・・・私が入るのは場違いだったのかな?)


大人しめの菅原凛よりは、大丈夫だと思ったのだけど・・・



「なにをお探しですか?」



キョロキョロしていたら、甘いリキュールのような香りのする美人が声をかけてきた。


「え!?あの、僕、その・・・!」


いきなりの声掛け。

予想していなかったので、オロオロしてしまう。

こういうお店のスタッフさんって、みんなきれいだよね~・・・

あ、この人がつけてるピアス、ショーケースに展示してたものじゃないかな?

いいなぁ~美人は何を身に着けても似合うんだなぁ~


「贈り物ですか?」

「え!?は、はい!年上のお姉さんになんですが~!」

「まぁ、羨ましい!そのお菓子と一緒に贈るのかしら?」

「え!?いや、これは、失敗をして~違うんですよ!」


テンパりながら、ケーキの箱を背後に隠せば、穏やかにほほ笑む美人店員。


「ふふ、失礼しました。どんなアクセサリーをお求めですか?」

「え!?どんなアクセサリーが喜ぶでしょうか?」


しまった!質問に質問で返しちゃった!!と、後悔したけど―――――


「うーん、個人差がありますが~アクセサリーを贈りたい相手の方って、普段はどんなアクセサリーを身に着けていますか?」

「えっ!?」


相手は気さくに答えてくれた。



「首回り、耳まわり、手首回り、指回り、学校や職場によっては、身に着けるものが限られていますでしょう?」

「あ、確かに・・・。」



私の焦りをうまくフォローしながら、その店員さんは優しく聞いてくれる。



「着飾るためのものか、機能性を重視したものか、相手の生活スタイルに合ったものを贈るのが一番なんですよ。」

「なるほど!」

「そうなんですよね~なので最初の質問に戻りますが、プレゼントしたい方がよく身に着けてるアクセサリーって、どんなものですか?」

「えーと・・・・」


そう聞かれて、必死で思い出す。



(瑠華さんは―――――――・・・)



思い浮かべるのだが・・・なぜか顔しか思い浮かばない。



「・・・・すみません。わかりません・・・。」

(てか、そこまで親しくないわ・・・)



〔★数えるぐらいしか会ってない★〕




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