彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)


私の返事に、今度こそ、美人店員は困り顔になる。


「わからない、ですか??」

「あ・・・そ、そこまで見てなくて・・・。」

「あらぁ~そうだったんですかぁー!?初心ですね~♪」

「いえ、単なるうっかりですよ・・・・」


猛烈に後悔する私に、美人のスタッフはクスクスと笑う。


「じゃあ、一緒に考えてみましょう?」

「お、お願いします・・・!!」


どこまでも優しいスタッフさんに、心まで美人なのかと思う。

その上で相手は、丁寧な商品説明を始める


「今のお勧めは、こちらのキャロルシリーズになります。シルバー素材だけでなく、革製品もありますので、肌の弱い方でも身に着けられますよ。」

「へぇ~そうなんですか・・・」


そう言って紹介された商品は、お店の一番目立つ場所にあった。

その第一印象は・・・・



(高そう・・・!!)



ジッと、商品を凝視する。

眼だけ動かして、値札の位置を探す。


(あ!あった!!)


手前にあった、イヤリングのタグをのぞき込む。


(うっわ!お小遣い1か月分だっ!)


思いのほか、高額。


「ちなみにお客様、ご予算はいくらぐらいですか?」


そんな私を見て、察した美人店員さんが聞いてくる。


「え・・・えっと・・・」


考えてみれば、このお店の平均的な商品の値段とか、考えないで入っちゃったよ!


「あ、あの!一度出直して―――――――!」


そう言いかけた時、それが目に留まった。





「――――キレイ・・・!」

(瑠華さんに、似合いそうだわ・・・)





思わず、その商品に近づく。



「ステキでしょう?使い分けられるので、便利ですよ?それにうちは一点ものしか置いてませんので、世界に一つだけなんです。」

「そうなんですか?」

(値段も・・・・これなら、買える・・・・)



なによりも、このアクセサリーをつけた時の瑠華さんを想像したら、これしかないと思えた。




「あの!・・・・これをプレゼント用で下さい。」

「はい!ありがとうございます!」




気づいた時には、即決で買っていた。



〔★凛は変なところで、決断力があった★〕



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