彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)
「裁判・・・大丈夫そうですか?」
「ああ!ガキどもは平気だよ!少しは自分の心配もしろよ?」
「違いますよ。丸山さんのことです。」
「え?」
「あ!もちろん、家出っ子達も気になりますが、丸山さん達・・・住所不定の皆さんのことが気になってまして・・・。僕のわがままに付き合って下ったばかりに、裁判ですから・・・」
「チョコが謝ることはない。それもわかった上で、みんな協力したんだ。『わがまま』とは言うな。」
「すみません。自己満足の偽善でした。」
「お前、何気に自己評価が低いよな!?」
「そうですか?丸山さんこそ、野生で生きなくてもいいと思うのですが?」
「俺はホームレスがお似合いだからいいんだよ!今さら・・・社会に帰ったって・・・」
「そんなこと言わないでください!!丸山さん、僕以上にしっかりしてます!社会に帰った方が世のため、人のた―――――」
「はいはいはい!その話はそこまで!」
丸山さんの意見を否定すれば、割って入る形で渡瀬さんに止められた。
「チョコちゃん、そういう話はナシね!人それぞれだから!ね!?」
「あ・・・す、すみません、渡瀬さん!丸山さんも、ごめんなさい。」
「うんうん!いいからいいから!丸ちゃんも、ね?」
「・・・わかってます。」
渡瀬さんの言葉に、丸山さんは静かに同意する。
(・・・やっぱり、サバイバル生活を選ぶのには理由があるみたいね・・・)
そうとしか思えない表情で黙る丸山さんに、自分が無責任なことを言ったのだと痛感した。
〔★凛は自分の失言を認め、反省と学習をした★〕