彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)




「ホント、チョコちゃんは素直で可愛い~♪触り心地もいい~♪」

「あの!ケーキの箱を持ったまま、なでるのはケーキが危なくなりますので~お触りはこれぐらいに頂きたいのですが~」

「わかってるぅ~♪それじゃあ、お言葉に甘えていただくわ♪」



私の言葉に楽しそう同意すると、受け取ったケーキの箱をしっかりと持ち直しながら言った。


「さてと!チョコちゃんに会えて、お話しできて、プレゼントももらったから~今度こそ帰るわね。仕事に遅刻しちゃうから!」

「え!?僕、引き留めちゃいましたか!?ごめんなさい!」

「そんなことないわ。チョコちゃんは気にしなくていいの!じゃあ学さん、あとお願いしまーす。」



謝る私の頭をもう一度なでると、渡瀬さんに向かって手を振る瑠華さん。

それに渡瀬さんも応じる。



「ああ、気をつけてな、瑠華ちゃん。チョコちゃん、お茶飲んでくか?」

「い、いいえ!僕も早く帰って、兄の仕事の手伝いをしなければいけませんので~」


お茶に誘われたけど、速攻で丁寧にお断りをする。


(だって、一刻も早く帰って、瑞希お兄ちゃんを充電しなければいけないから♪)



〔★凛の燃費は結構悪い★〕


「・・・・チョコの兄は、なんの仕事してんだ?」

「え?」



そんな私に、ボソッと丸山さんが聞いてくる。



「お、お兄ちゃんは~バリスタです!まだ見習いですけど~」

「へぇー・・・家族経営か・・・」

「えっと、なんといいますか~」



この場合、同意の返事していいものかと悩む。

しかし、返事を返す前に声をかけられた。


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