彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)
「チョコちゃん、お家の手伝いがあるから帰るの?」
「は、はい!」
「それなら、途中までお姉さんと行きましょうよ。」
「え!?」
「あ、それがいいね~!」
瑠華さんの申し出に驚けば、渡瀬さんが援護してきた。
「瑠華ちゃんと、チョコちゃんの防犯のためにもよろしくね~」
「いや、どちらかというと、鳴海の防犯になりますから!チョコは守られる側じゃなくて、守る側!ああ見えて、チョコは強いんですよ渡瀬さん!?」
「はい、確かに何かあれば、僕が守りますけど~」
丸山さん、そこまで断言しなくてもよくない?
〔★体験談をもとに、丸山は断定している★〕
「了解、了解!1人より、2人がいいよね~?じゃあお2人さん、どっちも気を付けて!帰ってね?」
「そうしまぁーす♪チョコちゃんを守りつつ、守ってもらうわ~よろしく、プチナイト君?」
「・・・何もないのが一番だけどな。」
「え?えっ!?ええ!?わ、わかりました・・・!」
渡瀬さんに頼まれたこともあって、瑠華さんと帰宅することに同意する。
うなずく私の腕を、当たり前のようにつかみながら瑠華さんは言った。
「お先に失礼しまぁーす!学さん、マルちゃん♪」
「あ、あの、お邪魔しました!」
「うんうん、またね、チョコちゃん♪瑠華ちゃんは明日ね~」
「チョコ!き、気を付けて帰りなさい・・・!あと!女には気をつけるんだぞ、チョコ!特に鳴海には!」
「うふっふっ!マルちゃんたら失礼ねぇ~」
男性2人に見送られ、活気のある食堂を通って外に出る。
予定通り、お礼の品は渡せた。
「じゃあ、おててつないで帰りましょうかぁ~」
帰りが、瑠華さんと一緒になったのは予定外だけど。
「え、あ、あの、瑠華さん~」
ぎゅ~と手を握ってくる美女に、どう対応していいかわからず焦る。
「どっちから来たの?あっちかな?」
指さされた方角が、偶然にも私が来た道。
「は、はい!」
思わず首を縦に振れば――――
「じゃあ、行きましょ♪」
その言葉に合わせて、つないだをグイっと引っ張られる。
「る、瑠華さん、手!」
手をつないでる必要があるのかという思いで言う。
それに彼女は答えてくれた。