彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)
「あ、ごめんごめん!手を握るは、子ども扱いよね~?」
そう言って笑いながら手を放してくれたが、離れた手は自然な動きで私の腕に絡みつく。
「えっ!?」
「ちゃんと、『男』あつかいしなきゃ・・・かな?」
ぴったりと、私に密着しながら言ってくる年上のお姉さん。
「ええ!?いや!そういうつもりで、言ったわけでは~!?」
「うふふ!照れてるの?可愛いー♪」
彼女の豊かな胸元が腕に当たってドキッとする。
「いやいやいや!違います!」
照れるじゃなくて、恐怖!!
(だって、あまり密着されると胸が!!)
サラシで隠している、私の脂肪の存在がばれてしまう!
〔★凛は身の危険を感じている★〕
「は、離れて下さい!適度な距離でお願いします!」
「いーから、いーから♪しばらく、お姉さんのいいようにされなさ~い♪」
「困りますよぉー!?」
聞き入れてもらえず、私と瑠華さんの距離は現状維持となる。
(うわぁ~近い近い!)
マスクで喉は隠してる。
顔も隠れてる。
だけど、瑠華さんが私に上半身をくっつけてくるので冷や冷やする。
(カンナさんとも、ここまで近い距離はないのに・・・)
そういえば、なんだかいい香りがする・・・
瑠華さんのつけている香水かな?
デパートの百貨店売り場にあるような、大人っぽい香り・・・
そのいい香りに誘われるまま、瑠華さんを見る。
「うふふ♪」
「あ。」
目が合う。
視線が重なってしまう。
正確には、私をじっと見ていたらしい瑠華さんと目が合ってしまった感じだ。
見つめあう形になった私達。
なんといえばいいか、言葉が見つからない。
そんな私の耳に届いたのは―――――――
「あの子、良くねぇ~?ナイスバディじゃん!?」
「おお、マジでいい女!」
「つーか、なんだよあの連れ!?釣り合ってないだろう!?」
「ガキが美人と・・・絶対兄弟だろう!?」
「肉親でもうらやましいぞ!?面も巨乳ヤバ♪色っぽ過ぎるだろうー!?」
すれ違う男性達の非難めいた声。