彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)
「あんなチビが、なんで美女とツーショットできんだよ・・・!?」
「ムカつくな・・・!クソガキ!」
「奪っちまうか?お子様ひねるのは簡単そうだぜ~」
(それ、私のことか・・・!?)
おそらく・・・いや、100%私への悪口だろう。
そりゃあ、瑠華さんがセクシー美女だから仕方ないけどさ~
一緒にいるだけで非難されるって・・・理不尽。
しかも、文句言ってるのは『男だだけ』じゃん?
〔★男の嫉妬は見苦しい★〕
(とはいえ、このまま密着してるのは良くなわ。)
自分の身バレ防止のため、周囲の雑音を消すため、私は瑠華さんに再度訴えた。
「る・・・瑠華さん!暑くないですか!?」
「ホントよね~8月は終わったのにねぇ~?地球温暖化って、深刻ねー?」
「今の我々も深刻ですよ!?」
9月になったとはいえ、暑さがまだまだ厳しい日本。
環境破壊は深刻だと思うが、今の状態も私にとっては深刻。
「良い女連れてるからって、調子に乗るなよクソガキ・・・!」
「どうせ、エロいことばっか考えてんだぜ~あのくそ坊主!」
「あのガキ・・・美女にいくら払って、デートしてもらってんだよ・・・」
周りの野郎共からの、突き刺さる視線と声がうざい・・・
〔★外野からの苦情が深刻だった★〕
男達のひがみに気付いていないらしい瑠華さんは、私にのん気に聞いてくる。
「チョコちゃん、暑いの?」
「はい。なので・・・腕を組むのは、やめておきましょう?」
私の提案に相手は不服そうに言う。
「あら?お姉さんと腕組みするのは、恥ずかしいの?」
「え!?いえ、恥ずかしいではなく、暑いので~」
「じゃあ、暑くない時なら腕組みしてても平気ってこと?」
「え!?違います違います!気温に関係なく、腕組み自体がその~ちょっとスキンシップが近いので、やめた方がいいと~」
「・・・不思議ねー」
離れてもらうべく言葉を紡いでいれば、ボソッと瑠華さんがつぶやいた。