彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)






「あーはははは!本当にもぉ~チョコちゃんって、変なとこでズレてるっていうか、面白いっていうか~参っちゃうなぁ~!ホント、参っちゃう・・・・・・・」


(・・・え・・・?)



明るかった声が、だんだんと小さくなっていく。

その変化に気付いて、あれ?と思った時には、私を拘束する手の力が緩くなる。

それでなんとか呼吸できた。


「ぷは!?」


しゃべれそうなので伝えた。


「る、瑠華さん!苦しいですよぉ~・・・!」

「あーごめんごめん♪」


私の抗議に謝ってはくれたけど、抱きしめている姿勢は変わらない。

だけど表情は、少しだけ悲しそうだった。



「瑠華さん・・・?」

(なに・・・?どうしたんだろう・・・?)



不安になり、相手の名を呼んでみる。

私の視線に気づいた瑠華さんと目があえば、彼女は穏やかの口調で言う。



「ごめんね・・・なんでもないから。」



そう言った時には、元の瑠華さんに戻っていた。



「久しぶりに、いっぱい笑えて・・・すっきりできたわ。ありがとう。」

「は、はあ・・・」



ニコニコ顔でお礼を言われるが、何か引っかかる。



(なにか、わけあり・・・・?)



感じた疑問を訪ねるよりも早く、瑠華さんに聞かれた。



「チョコちゃん、ここまで何できたの?電車?バス?」

「え?単車です。」

「そっかーバイクかぁ~・・・お姉さんはバスなのよね~じゃあ、ここでお別れかぁ~」



名残惜しそうな感じでつぶやくと、片手を私から離してから言った。




「これ、チョコちゃんにあげる。」

「え!?」




ウィンクしながら渡されたのは名刺。



「お兄さんへの宣伝♪もちろん、チョコちゃんも大歓迎よ~?」



瑠華さんから受け取った名刺、そこに書かれていたのは・・・・



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