彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)
「『ふじこ』?」
ど真ん中に、ひらがなで大きく印刷された文字。
「そう♪あたしの『源氏名』~」
「げ、げんじな!?」
(源氏名を使うということは――――――)
再度名刺に視線を落とす。
そこには、『ふじこ』以外の文字があった。
「『ガールズバー・パステルカラー』・・・」
〔☆良い子のためのワンポイント解説☆〕
源氏名(げんじな):お仕事をする上で、私生活が周囲に知られてしまうのを防ぐために使う、本名の他に付けた名前、つまり偽名のこと♪身の安全を確保できるから、風俗産業、夜の世界で働いてる人、バー・キャバレー・キャバクラ・ホステス・ホスト等がよく使ってるんだよーん☆彡
(『凛道蓮』も、ある意味源氏名とは言えるけど――――――――!)
「『ガールズバー』って!?」
(水商売初心者がする、あのガールズバーおこと!?)
ガールズバー:若い女の子がカウンターバー越しに接客し、お客さんにお酒を提供し、会話をメインで楽しむスタイルのバーのことだよん♪だから、体を触られるエッチなボディータッチはなく、お酒の知識がなくてもできる素人感を売りにしたバーだけど、お酒を取り扱う娯楽施設なので、水商売の入り口のようなお仕事だよーん☆彡
動揺する私とは対照的に、冷静に笑顔で瑠華さんは答えてくれた。
「そう、あたしのお仕事先で本業。ガールズバーで生活してるの。」
「え?」
(本業?生活?)
「瑠華さん、学校は?」
思わず聞いてしまった一言に、瑠華さんは苦笑いで答えてくれた。
「行ってないの。」
「えっ!?あ、あ、ご、ごめんなさい!!」
地雷踏んだ!!と思いながら謝れば、手を横に振りながら言う。
「いいのよ~チョコちゃんは、高校は卒業しなさいよ?」
微笑みながら言うと、名刺を差し出した手をの人差し指を、私の鼻先に押し付けながら告げる。