彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)

「あと、謝るぐらいなら、お姉さんに会いにお店に来てよ?いいわね?」

「わ、わかりました!」

「いい子♪うちの店、ノンアルコールもあるからチョコちゃんも平気よ。今夜はラストまでいるし、スタッフにこの名刺を見せれば、すぐにチョコちゃんのところへ行くからね?特別なお客にしか渡さないリクエストカードなんだから、くれぐれもなくさないでよ~?」

「わ、わかりまし・・・え?『リクエスト』!?」

「そうよ。『リクエスト』の意味わかる?」

「えーと、英語の授業では、『希望すること』と、習いましたが?」

「授業って、ふふふ!ガールズバーでは、『指名』って意味なんだけどね~」

「え!?指名!?」



特定するって意味の方!?

料理のオーダーと同じ感じ!?

大丈夫なの、それ!?



「てか、ガールズバーって、指名とかあるんですか!?大丈夫なんですか!?キャバクラやホステスみたいじゃないですか!?」

「普通はないけど、うちの店は『有り』なのよね~!」

「やっぱり、大丈夫そうじゃないみたいですが!?」

「そんなに心配しないで。」



私を安心させようと思ったのか、瑠華さんは笑顔で語り始める。


「うちの店は、上の段階に行く前提でやってるのよ。ガールズバーは若いだけで働ける。でも夜の世界が長くなると、年取っちゃうでしょう~?キャバクラ、キャバレー、ホステスに、上に・・・転職する時、固定客と経験がなきゃ、困るのよね~うちは、そういうところを早いうちから学べる感じなの。だから、チョコちゃんが心配するようなことはないから安心して~」

「心配が増したのですが!?」



〔★凛は安心できなかった★〕



「ちょっと瑠華さん!その話しぶりだと~ずっと水商売をしていく方向なんですか!?」

「だってお金たまりやすいじゃなーい?大丈夫よ~指名有り以外は、普通のガールズバーと同じで、アフターも同伴もノルマもないから♪まぁ、売上良かったら、上乗せはしてくれるけどねー♪」

「いえ、そうじゃなくて!防犯面とかですよ!変なお客さんとかー!」

「あら、心配してくれる~?ホント、チョコちゃんは優しいわねぇ~お姉さん、好きになっちゃいそー♪」

「からかわないでください!僕なんかに、リクエストカードを渡すなんてー!」


(どうかしてる!)

「どうかしてるかもね~」



私の心の声と、瑠華さんは発した声が重なる。




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