彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)
「実を言うとね~営業以外で逆リクエストするのは~チョコちゃんが初めてなのよー?」
「え!?」
「うふふ♪待ってるから、いつでも遊びに来てね?」
笑顔で言うと、再び私をぎゅーと抱きしめる瑠華さん。
「わっ、る、瑠華さん!?」
「じゃあ、バイバーイ♪」
耳元でそうささやくと、チュッ♪と音を出すだけの、キスする真似だけして私から離れる。
そして、手をひらひらさせながら立ち去る美女。
「あ・・・・さようなら・・・・」
いろいろ衝撃的すぎたが、思ったことは1つ。
(絶っっっっっ対!!瑞希お兄ちゃんをガールズバーには行かせないっ・・・・・・!!)
ご紹介して、どこの馬の骨ともわからん女とカップル成立されちゃ叶わない・・・!!
〔★恋する乙女としては防ぎたいところだ★〕
(つい、受け取っちゃったけど・・・・どうしよう。)
瑠華さんからの予想外の贈り物、どうするべきかと途方に暮れる。
(ぶっちゃけ、使う気はない。利用するつもりはない。)
とはいえ、瑠華さんからもらったものを捨てるわけにはいかない。
(瑠華さんをリクエストできるチケット・・・じゃなくて!名刺は、ヤマトの家に放置しよう。)
そう決めて、もらった名刺をポケットに入れて気づく。
「・・・渡しそびれちゃった・・・・。」
予定外で、瑠華さんへ用意したアクセサリー。
(まあ・・・・ご縁が続くなら、別の形で渡せばいいか。)
てか、ホールケーキで喜んでくれたからそれでいいかも?
だったら、無理に渡さなくてもいいんじゃない?
(出費は痛かったけど、何か別の機会で役立つかもしれないから・・・まぁいっか。)
再利用品となったアクセサリーが入っているポケットに、瑠華さんの名刺を突っ込みながら帰路につく。
瑞希お兄ちゃんが待っている店舗兼自宅へと急いだ。
〔★凛は自腹購入したアイテムを封印した★〕