彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)





瑠華さんと別れた後、予定よりも早く瑞希お兄ちゃんの元へ帰れた。


「ただいま~瑞希お兄ちゃん!」

「おう、お帰り。早かったな、凛?」


速足で彼に飛びつけば、愛しい人は上手に私をキャッチしてくれた。


「ちゃんと渡せたか?」

「はい!大成功でした!」

「よしよし、よくやった。」


ご褒美とばかりに、頭をナデナデしてくれる人。

それでテンション上昇、私は幸せ気分になる。



「凛たん、おかえり~お礼参り、お疲れさん♪」

「あたしの凛ちゃんお帰りなさーい!んーちゅ♪」

「烈司さん、モニカちゃん。」



瑞希お兄ちゃんの左右からそれぞれ、2人のイケメンが顔を出す。

烈司さんが私の右の頬をつつき、モニカちゃんが左の頬にキスしてきた。



「予定より早いな、凛道。」

「わははは!女の色香にかかったみてぇだなぁー!?」



私の背後からポンと肩を叩く獅子島さんと、背中をバシッ!と叩く百鬼。


「あう!?」


手加減していたとしても、百鬼の一撃は痛かった。



「おい、皇助!手加減しろ!」

「わははは!凛助が弱いだろう~!?もっと鍛えさせっぞ!」

「お前が怪力すぎるんだ、野獣。」

「そうよ!人間規格外!」

「凛たんは丁寧に扱え。」

「平気か、凛?」

「だ、大丈夫ですよ~」



瑞希お兄ちゃんはともかく、四方を先輩達で囲まれるのは迫力がありすぎる。



「凛、気にすんなって言ったのに、急いで帰ってきただろう~?開店前に頑張って帰って来やがって。」

「ご、ごめんなさい。」

「まぁ、凛が事故らず、無事に帰ってきてよかったわ。お使いお疲れさん、凛!」

「あ、ありがとうございます♪」



ねぎらいの言葉と共に頭を撫でられる。



(エヘへ♪幸せ~♪)



しっかりとよしよしをされ、浮かれながら照れた時だった。



ヒラヒラ・・・・パサ。



「あん?凛、なんか落ちたぞ?」

「え?」



そう告げる好きな人を見た時、彼は身をかがめて何か拾っていた。



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