彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)



いきなり現れた百鬼に、口ピアスと耳ピアス絶叫。



「ぎゃあああああああ!?」

「ひいいいいい!?」



右に口ピアス、左に耳ピアスをぶら下げながら野獣が笑う。



「わっはっはっはっ!!四代目ぇ~!!こいつら、どーするよ!?俺様、人間の頭をつぶすのは久々だからなぁ・・・!!」

ベキベキ!

メギメギ!

「あぎゃああああああああああ!!」

「おんぎゃあああああああああ!!」

「ひっ!?ひいい!?」



悶絶する仲間2人を見て、腰を抜かしてしまった運の良い鼻ピアス。

こいつらがどうなろうが関係ないけど、ほとんど反射的に口を開いてしまった。



「ちょ!?百鬼さーん!やめたげて!!人殺しになりますよ!?」

「わはははは!ちょっと握りしめただけだろうがぁ~!?」

「『4代目』・・・・?」



背後にかばっている瑠華さんが、そうつぶやいた気がした。

しかし、それどころじゃなかった。



「オイオイ、何の騒ぎだ、凛たーん!?」

「今の声、凛ちゃんのツッコミか!?」

「何事だ、凛道?」

「烈司さん、モニカちゃん、獅子島さん!?」



そこへ、席にいたはずの他の3人がやってくる。



「わははははは!!」



そして、ご満悦でご機嫌な百鬼さんを見て一言。





「「「なんだ、皇助の酒乱か・・・」」」





声をそろえて言うと、元来た方へと帰ろうとする先輩方。




「ちょ!?自然な流れで解散しないでくださーい!!」



〔★3人は、百鬼の放置を選択した★〕



「待って!待って下さい!僕だけじゃ手に負えません!みなさんにも、百鬼さんを止めるのを手伝っていただかないと~!」



そう説明した矢先だった。



「ち、ちくしょうこうなればー!」

ガシ!

「え?」

「動くなっ!!」



切羽詰まった声がしたと思ったら、いきなり鼻ピアスが私の腕をつかんできた。



「凛たん!?」

「凛ちゃーん!?」

「凛道!」

「わはははは!りーんすけぇ~!?」



鼻ピアスの声で、解散していたお三方は振り返り、獲物を締め上げていたお一方は目だけで私と鼻ピアスを見る。


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