彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)
みんなから注目を浴びることに成功した鼻ピアスは、声高らかに言い放った。
「福場と山崎を離せ!」
「どちらが福場で、どちら山崎ですか?」
わからなかったので聞く。
「うるせぇ!人質がしゃべるな!」
「じゃあ、口ピアスが山崎で、耳ピアスが福場にします。」
答えてくれないので決めつける。
「逆だ!口ピアスが福場で、耳ピアスが山崎!」
「では、あなたは?」
自白を誘導してみる。
「俺は奥迫だ!って、よくも身元をしゃべらせやがったな~!?」
「福場と山崎の個人情報をばらしておいて、それはないでしょう?」
「うるせぇうるせぇ!涼しい顔で言いやがってムカつく!!」
「よく言われます。」
「ぐあああああああああああ!!」
事実を述べたら叫ばれた。
〔★凛の冷静な対応、敵はイライラしている★〕
「もうお前、しゃべるな!おい!お前ら!つーか、福場と山崎をぶら下げてるデカいお前!早く2人を放せ!さもないと、このガキが大ケガを――――――!!」
「―――――させてもいいですよね、みなさーん?」
「へっ!?」
動きを止めた先輩5人に聞けば、彼らは同時にうなずいた。
百鬼以外の3人が、片手の親指を立てて、下に向けながら命令を下す。
「「「トンファーだ。」」」
「はぁーい。」
ヒュン!!ドドーン!!
「ぐおん!?」
利き手側の一本だけで、私を拘束しようとした馬鹿を振り払った。
ガタガタガターン!
「がああ!?」
そんなに力は入れてなかったけど、油断していたんだろうな。
けっこういい感じに吹っ飛んでくれた。
「な、なんなんだこいつら!?」
「長い便所だと思って皇助に見に行かせれば・・・男にナンパされてたのか、凛?」
「瑞希お兄ちゃん!」
気づけば、愛しの彼が隣にいた。
そう、それは大好きな瑞希お兄ちゃん♪
「サナちゃん!みんなで来てたのか~!?」
「こんばんは、会長。出来れば、あおらずに、凛を止めて下さいよ?」
「はっはっはっ!最近、ガラの悪いのが『ふじこ』のことをストーカーしてるって聞いてな!サナちゃん達、龍星軍勢を呼ぼうかって話してたところなんだぜ?」
「「「龍星軍!?」」」
それでピアス3兄弟の顔色が変わった。