彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)
「・・・瑠華?」
「龍志(りゅうじ)・・・!?」
「え?知り合い?」
「なっ!?瑠華って――――――――鳴海瑠華!?」
聞き返す私と、フォローしてくれた男の連れが叫ぶ。
「マジで、鳴海瑠華か!?」
瑠華さんの本名をフルネームで言った。
「え?お兄さん、お知り合いですか?てか、ここでは源氏名で呼んでもらわないと困り・・・」
「困らされたのはこっちだ!!坊主、この女の本性知らないだろう!?」
「知ってます。良い人です。」
「絶対わかってねぇ!!これだからガキは!」
そう言うなり、私を小突いてくる目つきが悪い男。
それで美人のオネェさんが動いた。
「あ!?ちょっとぉーあんたぁ~!?凛ちゃんに何すんのよ!?」
「うお!?なんだお前!?オカマかっ!?」
「ああんっ!?誰がオカマだゴラっ!?」
「うおお!?」
禁句ワードが出たところで、モニカちゃんがチェンジ。
「その濁った眼球くりぬいて取りかえっぞ!!?」
漢モードで激高。
そして両手で相手の胸ぐらをつかむ、そのまま持ち上げて宙づりにするオネェさん。
「モニカちゃん!?」
「それともクセー口らしく、総入れ歯にしてやろうかっ!?」
「ぐえ!?こ、こいつ~~~~~!?」
「亜都司!?」
「やめろ、モニカ!」
それを見て、ツレの男と烈司さんが2人を止めに入る。
その一方で――――
「帰らせてもらうぞ、店長。会計だ。」
「え?あ、あの、お待ちください、お客様!お詫びを~!」
「いらん。面倒ごとはごめんだ。伝票だ。支払いは現金でいいな?」
「わはははは!あんだよぉ~イイ感じの修羅場なのによぉー!?あ、お姉ちゃん可愛いじゃんか!?キララって言うのかぁ~!?名刺くれるよなぁ~!?」
「ひっ!?ど、どーぞぉ~」
獅子島さんの言葉に責任者らしい女性がうなずき、百鬼はおびえている女性から名刺を受け取っていた。
〔★正確には強奪(ごうだつ)だ★〕