彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)



「・・・瑠華?」

「龍志(りゅうじ)・・・!?」

「え?知り合い?」

「なっ!?瑠華って――――――――鳴海瑠華!?」



聞き返す私と、フォローしてくれた男の連れが叫ぶ。



「マジで、鳴海瑠華か!?」



瑠華さんの本名をフルネームで言った。



「え?お兄さん、お知り合いですか?てか、ここでは源氏名で呼んでもらわないと困り・・・」

「困らされたのはこっちだ!!坊主、この女の本性知らないだろう!?」

「知ってます。良い人です。」

「絶対わかってねぇ!!これだからガキは!」



そう言うなり、私を小突いてくる目つきが悪い男。

それで美人のオネェさんが動いた。



「あ!?ちょっとぉーあんたぁ~!?凛ちゃんに何すんのよ!?」

「うお!?なんだお前!?オカマかっ!?」

「ああんっ!?誰がオカマだゴラっ!?」

「うおお!?」



禁句ワードが出たところで、モニカちゃんがチェンジ。




「その濁った眼球くりぬいて取りかえっぞ!!?」




漢モードで激高。

そして両手で相手の胸ぐらをつかむ、そのまま持ち上げて宙づりにするオネェさん。



「モニカちゃん!?」

「それともクセー口らしく、総入れ歯にしてやろうかっ!?」

「ぐえ!?こ、こいつ~~~~~!?」

「亜都司!?」

「やめろ、モニカ!」



それを見て、ツレの男と烈司さんが2人を止めに入る。

その一方で――――




「帰らせてもらうぞ、店長。会計だ。」

「え?あ、あの、お待ちください、お客様!お詫びを~!」

「いらん。面倒ごとはごめんだ。伝票だ。支払いは現金でいいな?」

「わはははは!あんだよぉ~イイ感じの修羅場なのによぉー!?あ、お姉ちゃん可愛いじゃんか!?キララって言うのかぁ~!?名刺くれるよなぁ~!?」

「ひっ!?ど、どーぞぉ~」



獅子島さんの言葉に責任者らしい女性がうなずき、百鬼はおびえている女性から名刺を受け取っていた。



〔★正確には強奪(ごうだつ)だ★〕


< 348 / 922 >

この作品をシェア

pagetop