彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)
「馬鹿そうな3兄弟だったから・・・グラサンの代わりにカラコンして、シルキロールを普通のマスクにして、カラコンと同じ色のカツラかぶって、俺と五十嵐の後ろを隠れるようについてくればいいか・・・」
「ということは!?」
「凛も連れてってやる。俺が指示を出すまで、側にいろよ?」
「ありがとうございますっ!!」
「なにぃぃぃぃー!?」
(やったぁー!)
瑞希お兄ちゃんのお言葉に大ジャンプの私と、前のめりになる円城寺君。
(やったやったー!正義は勝つ!)
〔★どちらかといえば、凛の立ち位置は悪だ★〕
「お、俺も!瑞希先輩!俺も連れてって下さい!!」
嬉しくて、勝利のハイタッチを可児君やちーちゃんとしていたら、悲痛な声で円城寺君も瑞希お兄ちゃんに訴える。
これに初代総長様は、短いお返事を返す。
「ダメだ。」
「なんでですか!?」
「お守りは1人までだ。」
「先着順ですかー!?いや、それなら!先に言ったの俺ですよね!?」
「食い下がらなかったじゃんか?粘りが足りねー」
「ぐああああああああああ!!」
瑞希お兄ちゃんの言葉に、その場に膝をつき、頭をかきむしる円城寺君。
〔★凛のねばり勝ちだった★〕
「さすが凛さん!納豆ようですね!?」
「美味しそうな例えをありがとう、可児君。」
「それでこそ、俺のリンリーン♪トルコアイス系~!」
「ちょっと違う気がするけど、美味しそうな例えをありがとう、ちーちゃん。」
「うはははは!ほな、わしと瑞希はんと凛で張り込みでっかー!?」
「そういうことだ。俺も・・・初代としても、気になることあるからよ。」
瑞希お兄ちゃんがそう言った時だった。
「瑞希~大量オーダー来たから、帰ってきてくれよ!」
ガラッと引き戸を開けながら、烈司さんが瑞希お兄ちゃんを呼んだ。
「おう、今戻る。俺の口出しはここまでだ。張り込みについては、俺の仕事上がりまで待ってくれ、凛、ヤマト!」
「はい!喜んで~!」
「うはははは!りょーかーいでげすぅ~!」
「あとでな。」
同意の返事をする私とヤマト・・・私の頭をなでてから、お仕事へ戻る瑞希お兄ちゃん。
(お兄ちゃんと張り込み、やったー!頭もナデナデしてもらえた~)
ウキウキ気分で瑞希お兄ちゃんを見送ったのだが、彼の姿が見えなくなった瞬間、体に衝撃が走った。