彼は高嶺のヤンキー様６（元ヤン）

「コラ凛道！！なに瑞希先輩にこび売ってんだコラ！？」

「ちょ！？近い近い！円城寺君！？」

「俺の方が先に言ったのに！なんで後から来たオメーが優先されんだよ！？４代目決める時もそうだ！イレギュラーのテメーが受かって俺が落ちるっておかしいだろう！？」



血走った眼をした円城寺君が、私の肩をつかんでゆらす。



「よくもよくもよーくーもー！テメーばっかり瑞希先輩と～！！」

「あぁあ～！暴力反た～～～い！」

「凛さん！？」

「リンリーン！」



殴られたり蹴られたりしてるわけじゃないけど、ガックンガックン揺さぶるのも脳に結構ダメージが来る。



「うははは！それ以上すると、凛が壊れるでー？」

「やめろ大河！凛にあたるな！」

「そうそう、気持ちはわかるけどさ～」

「決まっちゃったから、しゃーねぇーじゃん？」



ヤマトの言葉に、見かねたカンナさんと秀君と悠斗君が助けてくれた。

興奮する円城寺君を、爆裂団の３人がかりで私から引き離す。

ふらつく私を、可児君とちーちゃんとヤマトが支えてくれた。



「凛さん、しっかりして下さい！」

「リンリン、平気！？かわいそーに、よしよし♪」

「うはははは！アメちゃん舐めるー！？」

「だ、大丈夫です、ありがとう・・・！」

「放せコラー！凛道このくそったれ！！」



私から引き離されてもなお、暴言を吐きまくる円城寺君。



「なんであいつが良くて、凛道が良くて俺がダメなんだよ！？だだっこが得して、聞き分けの良いもんが孫するとかおかしいだろう、コラ！？」

「うるせぇぞ、大河！静かにしろよ！さわぐと、真田先輩にしかられんぞ！？」

「カンナの言う通りだぜ、大河！悔しいけど、りんどーは弟なんだしよ～」

「ひいきは覚悟の上だろう？」

「くっそーブラコンが憎い！！」

「ごめんね。」



そう言ってはみたが、不思議と、円城寺君に対して悪いとは思わなかった。



（むしろ、ありがたや～）



手を合わせておがんでしまう気分。



〔★凛は手合わせを実行した★〕