彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)



「マジで凛は人気者だな?」

「円城寺君にあれだけ支持されてるのに、そんなこと言わないで下さいよ。」

「好かれてはいるだろうけどな。そんで?今日は大丈夫なんか?」

「大丈夫ですが・・・なぜです?」

「なんか悩み事でもあるんじゃねぇのか?」

「え!?」



な、悩み・・・



―すがちゃん―



気がかりは、友達のよっちゃんのこと。



「な、悩みというわけでは~」

「けど、良いこともあったんだろう?」

「え!?どうしてそれ・・・・あ、しまった!!」

「あははは!」



私のうっかりミスに、声をあげて笑う瑞希お兄ちゃん。



「俺のお仕事は接客だぞ?人相手にしてる商売だ。見ればわかるんだよ。」

「そ、そうなんですか!?」

「―――――――なーんてな!凛ばっかり見てたから、わかっちまっただけなんだけどよ。」

「え?」



私ばっかり見て・・・・えっ!!?



「そ、それってどういう意味で―――――――――!?」

「陽翔みたいになるなよ。」



その声に合わせてバイクが止まる。



「うはははは!ついてないのぉ~!ここの赤信号長いからのぉ~!」



そんなヤマトの声がしたけど、それどころじゃなかった。



「は・・・陽翔みたいにって・・・伊吹さん?」

「ああ。俺は『あいつ』で学んだ。大事なもんほど、ちゃんと見ておかなきゃだめだからな。」

「!?」



そう言って、私を見る優しい目を見て気づく。





「僕が心配だから、張り込みについてきてくれたのですね・・・?」

「・・・言っただろう?『GREAT STAGE』の苦情が、初代のとこにまで来てるって?」

「あ・・・すみません。うぬぼれました・・・」



・・・そうだよね。

龍星軍は、もう私だけじゃない。

カンナさんと円城寺君と、秀君、悠斗君。

ヤマトに可児君、ちーちゃん、つなぐ。

みんなに何かあった時の『責任をとる』のが、凛道蓮の役目。

瑞希お兄ちゃんが心配してくれるのも、そういう意味であって、個人的には―――――・・・





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