彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)
目的地である『GREAT STAGE』の駐車場にバイクを止めた。
迷うことはなかったけど、ピアス3兄弟が言うほど、近くというわけではなかった。
「近くというか・・・同じ学区外の両はし同士なだけでした・・・」
「言い方次第ってことだな。」
スマホの地図を見ながら言えば、瑞希お兄ちゃんがおっしゃった。
「マジでご近所なら、もっと早い段階で、鳴海瑠華と奴らがご対面をはたしてるだろう?」
「うはははは!それが凛がおる時に遭遇とはラッキーやな、凛!?」
「アンラッキーですよ、ヤマト!」
「じゃあ、打ち合わせ通り・・・初めて遊びに来た感じで行くぞ?」
「「はぁーい!」」
「お前ら!返事は、『押す!』だろう?」
「「押す!」」
「ふー・・・大丈夫かよ・・・?」
(大丈夫じゃなーい!)
ため息交じりに言いながら、サングラスかける姿がヤバーい!!
〔★凛は瑞希に見とれている★〕
「凛もグラサンかけろ。持ってるよな?」
「は、はい!モニカちゃんが渡してくれたのがー」
そう伝えてかけてみる。
(・・・なんかこれは・・・)
「サングラス、大きいですね?大人っぽさが出るようにって、ゴーグルタイプのサングラスを貸して下さったのですが・・・」
「つーか、マスクまでしてるから、完全に花粉症対策の装備じゃねぇか。」
「うはははは!不審者すぎるのぉ~!」
〔★重装備になっていた★〕
「変ですか?」
「顔面をしっかり隠してるからなぁ~・・・・凛、マスク、とらねぇか?」
「え!?」
「ゴーグルタイプのグラサンがイイ感じだから、マスクはない方がいいぞ?」
「そ、それは!」
(普段は隠してる顔半分を出すと言うこと!?)
そんな私の想いに気付いたのか、ばつが悪そうに瑞希お兄ちゃんは言う。
「あーいや・・・まぁ、凛が嫌なら無理にとは言わねぇけど・・・」
「・・・・・・・・・・・・わかりました。」
瑞希お兄ちゃんがそう言うなら!
「僕、外します!」
そう宣言して、マスクをバッと外した。
〔★凛は装備を軽くした★〕