彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)
「いや~せやから!凛を後ろに隠さんとあきまへんやろ~瑞希はん!腕組んでならばんといてなぁ~まいったなぁ~うはははは!」
「おっといけねぇ!凛を俺とヤマトの間にと!つーか・・・マジで耐えられるか、凛?マスクナシに・・・?」
「耐えます、瑞希お兄ちゃん!」
あなたのためなら、マスクナシでも平気!てか、マスクなんてどうでもいい!グラサンで、顔の半分を隠せてるからそれでいい!
(ずっとあなたの瞳に映っていたいです・・・!)
〔★凛は目的を忘れかけている★〕
チラチラと、私の方へと振り返りながら、前を進む優しいお兄様。
「凛、あそこだ。」
その優しいお兄様が、動きを止めると、小さな声で話しかけてきた。
「この店だ。」
「え?」
「永山って奴が経営してる娯楽施設。」
「あ・・・ああ、ここが!?」
「うはははは!全然そうは見えんのぉー!」
ヤマトの言う通り、白を基調としたきれいな外観だった。
(見た目がホテルみたいだけど、ここで闇カジノしてるの??)
「切り替えろ。」
そうつぶやいた瑞希お兄ちゃんは、初代総長の目をしていた。
それで私も、スイッチをオンにした。
「切り替えました。」
「同じく!うははは~!」
「わかってるとは思うが、今日はご挨拶だけだ。適当に遊んで、近くの奴に気軽に話しかける。店員にも客にも店員にも、手柄をあせって深追いするな。」
「「押す!」」
「行くぞ。」
そこまでおっしゃると、『GREAT STAGE』の文字が彫られている両開きのドアを開けた。