彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)
「なんや~スマホもっとるのに、なぜかあそこに入り寄るのぉ~店員に、アイポやタブを借りとる子もおるしなぁ~」
「あ!?本当だ・・・」
クレーンゲームをしつつ、店員が持ってきたアイポをのぞき込んで触ってる女子の集団が目に入る。
「いったいなぜ?ネットでつながってるなら、どこからログインしても同じだから、わざわざ借りなくても・・・」
「スマホに履歴を、残させないためだろう。」
「え?」
近くにあったバイクマシーンに乗りながら言う瑞希お兄ちゃん。
ごまかすためにしているとわかったので、観戦しているふりをしながらヤマトと2人で近寄った。
そんな私達を見ることなく瑞希お兄ちゃんは言った。
「最近は、低年齢のネット犯罪が増えてるから、携帯会社や親御さんが、子供のネットの履歴をチェックできたり、規制できるプログラムを用意したりするだろう?」
「あ、はい。そういうプランも・・・え!?まさか!?」
「うはははは!ごまかすためでっかぁ~」
「ヤマト正解。」
そう言って獅子島さんが用意した、瑞希お兄ちゃん用のカードをかざせば、エンジン音が鳴り響きわたる。
瑞希お兄ちゃんがまたがったおもちゃのバイクが使えるようになった。
利用可能を確認すると、ゲーム内での車種とコース選択しながら、私の大好きな人は言った。
「スマホを自腹で払えるのは、一般的に早くて15を過ぎてからだ。新聞配達してりゃ別だが~・・・まぁ、それまでは親がスポンサーだ。自分のスマホからログインすると都合が悪いから、バレない場所から入ってるんだろうぜ。」
「なるほど・・・ずるいですね!」
「うはははは!案外、登録も自分のスマホ以外からしとるかものぉ~!」
「あ!?それありえるよ、ヤマト!変なサイトに登録してないか、親に確認されるって友達が―――――――」
いた!と言い切る前に、瑞希お兄ちゃんのゲームが始まった。
対戦モードになっているらしく、他のバイクゲームをしている人達と競争し始めた。
「おいおい、隣早いぜ!」
「カーブの切り返しスゲー!」
横から、同じようにバイクマシーンで遊んでいる男子集団の声が興奮気味に声をあげる。
(そりゃあ、そうですとも!うちの瑞希お兄ちゃん、現物を乗りこなしてますからね!)
〔★凛は心の中で、ドヤ顔をした★〕