彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)
ヤバイ!
瑞希お兄ちゃん激怒するの間違いなし!!
(これは調査どころじゃなくなる!!)
瑞希お兄ちゃんへのフォローも含め、そう覚悟したのだけど――――――――
「いいよ。教えてあげる。」
「えっ!?」
「うっは!」
鬼のような形相とは真逆の、仏様のようなお顔でおっしゃる瑞希お兄ちゃん。
(あ・・・悟られた!?)
そうとしか思えない、穏やかなお顔。
「いろいろお話しながら遊びましょ?」
「はーい!」
「もちろんです!」
「やった~」
(女子に見える外見を受け入れ、利用される方向に悟られたのか!?)
「ということだから2人とも~これでジュースでも買っておいで♪」
「え?でも・・・!?」
差し出されたお金と、可愛い笑顔に戸惑う私。
「え!?おおきに、可愛いお姉さま!!ごちそうさまーうはははは!!」
「ちょ!?」
だから、こんな時でも遠慮のないヤマトが少しだけうらやましく思えたけど、〆るところはきちんとしめなければ!
「お、おい!失礼ですよ!?」
「あ、気にしなくていいよ~気にしてないからね~」
ヤマトを見ながら言えば、私に笑顔を向けながら甘い声を出す瑞希お兄ちゃん。
身内に女性あつかいされたのに、怒ってない!?
〔★瑞希は割り切っていた★〕
びっくりして瑞希お兄ちゃんを見れば、私からヤマトへ視線をうつしながら言った。
「そういうわけだから~あっちに自販機あったから、そこで買って来て~パシリ!」
「え!?」
「うは!?」
(パ、パシリ!?)
ヤマトをパシリって言いましたか、瑞希お兄ちゃん!?
(怒ってないわけじゃないのね・・・。)
〔★瑞希は根に持っていた★〕