彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)
「子供を警察に突き出しても仕方ないでしょう?」
「なによ!警察に突き出されるのは、あなた達の方よ!知ってるんだからね!?ここで違法な闇ネットカジノをしてることを!」
「え!?」
(おーい!?)
なんでこの子がそれを知ってるの!?
彼女の言葉に、反射的に瑞希お兄ちゃんを見れば、彼も私を見ていた。
目だけで、動くな!と制されたが、言われなくても動けない。
「闇カジノって・・・」
「え?ヤバイよ・・・」
「なんでカジノって知ってんだ・・・」
周りの客達にも動揺が走る。
ピアス3兄弟も、どや顔で言う美少女を見たまま、固まっていたのだが――――――
「証拠はあるんですか?」
マネージャーと呼ばれた男は動じなかった。
「それは!」
「話し足りないなら、事務所でお話しましょうか?」
そう告げる男と目があう。
「っ!?」
ゾッとした。
「いいわよ!望むと・・・・!」
「帰ります!!」
「え?」
反射的に、女の子の腕をつかむ。
私の背後から出ていこうとする美少女を引き止める。
「帰ります!!お騒がせして、すみませんでした!!」
「ちょっと!?何勝手にー!?」
「帰るんです!!」
(ヤバイから!)
女の子の手を強くにぎって、必死に目で訴える。
「っ・・・!」
それに悔しそうな顔をしたが、
「・・・・わかった。」
彼女は小さくうなずいてくれた。
「失礼なことを言って、申し訳ありませんでした!!もう来ませんから、許してください!」
「・・・・そうですか、わかってくれたのならいいです。話のわかるお友達で助かります。」
私の謝罪に、美涼という男はニッコリとほほ笑んできたけど、ますます鳥肌が立った。