彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)
「沸点低すぎんだよ、おめーは!」
「痛ててっ!?放せ!兄弟げんかに口出すな!」
「そうだな。亜都子はオメーの妹だ。でもな、俺の女でもあるんだぞ・・・!?」
「龍ちゃん・・・!」
「女?」
(つまり恋人!?)
「そうだ。亜都子は俺の彼女だ。」
私のつぶやきに、色ぽい声で答える神城さん。
「亜都子、4代目に聞かなくても、いずれわかることだ。俺の口から話すまで待ってくれ。」
「でも、龍ちゃん!4代目さんに聞いた方が、は―――――」
きっと、『聞いた方が早い』とでも言いたかったのだろう。
「んー」
「んふっ!?」
「わー!?」
「え・・・?」
「あ~」
「熱烈なチューやなぁ~!うははははは!!」
恋人の会話を止めるため、神城さんは唇で相手の口をふさいだ。
つまり、ヤマトの言葉通りのキスです、はい。
〔★ラブシーンが発生した★〕
けっこうながーく、チューをすると、神城産の方から口を放した。
「はっ・・はぁ・・・りゅ、りゅうちゃ・・・なんで・・・!?」
「いいか、亜都子?」
真っ赤な顔の恋人に、優しく神城がささやく。
「待てるな?」
「・・・・・・・わかった。」
しおらしくいう妹は対照的に、兄の方は激高する。
「龍志!兄の前でそう言うことするか―!?」
「兄公認だろう、俺らは?なぁ、亜津子-?」
「ばかばか!知らなーい!」
「あははは!亜都子は可愛いなぁ~」
「当然だろう!?俺の妹なんだからな!?」
「お兄ちゃんまでやめてよ!恥ずかしい!」
(ずいぶん、妹思いなお兄さん、シスコンだな・・・・)
そう思っていたら、シスコン兄貴と目が合う。
「何見てんだよ、コラ!?」
「いえ、筋金入りのシスコンだと思いまして。」
「うるせぇーよ!テメーなんか、ブラコンどころか女ったらしじゃねぇか!?」
「はあ!?なんでそんな誤解してんですか?」
「とぼけるなよ!そっちの女が高千穂カンナだろう!?」
「え?」
「あん?」
「うはははは!」
瑞希お兄ちゃんを見ながらほざくシスコン男。
〔★引き続き、無礼な決めつけだった★〕