彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)



「はい。あの方は、生まれも育ちも男性でございます。」

「だ、男性!?てっきり、かわ・・・いや、肌がきれいだから女性かと~・・・」

「そうなの!私も最初は間違えて・・・でも、お店の中じゃ、みんなから、お姉さんって呼ばれてたけど・・・?」

「あ、すみません。変装していたもので、女性のふりをしていたのですよ。だけど男性なので、今後は男と意識して下さい。」

「うん、わかった!ねぇ、龍ちゃん!?」

「ああ・・・そっか、男か・・・ごめんな、間違えて?」

「はい。わかって頂ければ大丈夫です?」

「うはははは!亜都子ちゃんのお兄ちゃんは大丈夫じゃなさそうやで~」

「「「あ。」」」



その言葉で、うっかり忘れかけていたシスコンのことを思い出す。



「お兄ちゃん、おやめくださーい!」



止めてはみたけど・・・





「テメー放せや、クソ女!!」

ミシミシミシ!





瑞希お兄ちゃんの力は止まらない。

むしろ、『女』というNGワードを使ったせいで、ダメージがひどくなっている。



「いたたたたたた!!?いてー!!」




〔★速水亜都司の言葉の暴力、真田瑞希は握力という暴力で返していた★〕



「うははは!面白くなってきたのぉー」

「面白がるな!止めますよ!ちょっと、お兄ちゃん!」

「うぉおお~ざけんな、クソガキ!お前にお兄ちゃんと言われる筋痛てててて――――――!!」




ミシミシミシ!




「お兄ちゃんが!お兄ちゃんの頭から変な音がするぅ~!」

「わあー!?お兄ちゃん、ダメダメ!」



がばっと瑞希お兄ちゃんに抱き着きながらお願いする。



「お兄ちゃん、お許しを!」

「亜都司お兄ちゃんを許して!」



そこに亜都子ちゃんも加わる。





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