彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)
何もなかったかのように言う速水君の発言に、若い警官は声を荒げる。
「バカにしてるのか!?」
「もうやめろ、岩倉!」
「荒川先輩!?」
「フジバラさんが、やめろと注意して従ったんだ。口頭注意でやめたのなら、罪に問えない・・・そうだろう?」
「あ!?」
荒川という刑事の言葉で、間の抜けた声をもらす岩倉。
恨めしそうにこっちを見るが、誰もが視線をそらす。
「フジバラさーん!」
「うるせぇぞ岩倉!おい、凛道蓮共!俺の気が変わらないうちにさっさと散れ!このクソガキども!」
「ありがとうございます!行きましょう、神城さん。」
「・・・ああ。」
バラさんの言葉に従い、警察の方々から離れる私達。
しばらく歩いたところで、神城さんが聞いてきた。
「フジバラさんは・・・いつもあんな感じなのかい?」
「ええ。カルシウム不足だと思うんですよね。」
「ぷっ!そっか~カルシウム不足ねー」
「笑いごとかよ、龍志!?なに仲良くしてんだよ!?」
「うっはっはっはっ!」
「そっちのオメーもうるせぇぞ!?」
「やめてよ、亜都司お兄ちゃん!」
「やれやれ・・・つーことで解散だ、凛。」
「はい。ということで、さようなら。神城さん、亜都子ちゃん、速水君。」
「なんで俺だけ君付けなんだ!?お前中坊だろう!?俺は18だぞ!?目上を敬えや!」
「僕、高校生ですよ?神城さんも18歳ですか?」
「亜都司とはタメだからな。4代目さんは・・・15ってことか?亜都子とタメなわけかな?」
「え!?私と同級生!?見えな~い!可愛いから、若く見えるね?」
「亜都子ちゃんにそう言われると、素直に喜んでいいのか悩みますね。」
「とりあえず、クレームは入れろ、凛!お嬢ちゃん、こいつは男だからかわいいは勘弁してくれ。」
「あ、ごめんなさい!かっこいいです!」
「そないまたぁ~とってつけたようにいうのもなぁー!?うはははは!」
「てめ!?俺の妹に文句あんのかコラ!?」
「やめて、お兄ちゃん!失礼なこと言ったのは私なんだから!」
そう言いながら、軽い兄弟ケンカを始める男女。
それを横目に、瑞希お兄ちゃんが口を開いた。