彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)
「だ、だってー!すがちゃんが怖いこと言うんだもーん!」
「現実的なことを言っただけだよ!?・・・・・私も行くよ。」
「え!?」
放ってはおけない。
「私も、よっちゃんと一緒に行くよ。」
よっちゃんが心配だし、『GREAT STAGE』についての情報がほしいから。
「2人で行こう。」
「ええ!?だめだよ!迷惑かけられないよ!」
「じゃあ、1人で行くのを見送るね。いってらっしゃい。」
「え!?」
突き放すように言えば、わかりやすいぐらいよっちゃんの顔がこわばる。
「私、そこまで付き合う義務ないから。行ってらっしゃい。」
そう伝えて、食べ終わったお弁当箱をカバンにしまう。
「・・・う、うん。1人で、行くよ・・・」
あまりにも、元気のない声。やっぱりさっきのは――――――
「強がりだったんでしょう?」
「え?」
「1人で平気じゃないよね?」
優しく尋ねれば、下唇をかみながら首を縦に振った。
「すがちゃんに、一緒に来てほしい・・・・」
「・・・わかったよ。私も一緒についていくよ。」
「い、いいの!?」
「1人より、2人の方が早く貯めれるじゃない?」
「すがちゃん!」
泣きそうな声で、私の名を呼んで抱き着いてくるよっちゃん。
「ごめん!ごめん!ごめんなさい!私・・・最低の友達だよね・・・・・!?」
「それはよっちゃん次第だよ。ネットマネーの借金返し終わったら、そのゲームで課金と借金しないと誓ってくれますか?」
「え!?」
「よっちゃんが夢中になってるゲームって、マネーポイントの通貨を使わなくても、課金さえしなければ、無料でも十分遊べるよね?マイフレンドさんもいるのにやめろなんて言えないけど、安全に遊べるようにやり方を変えて下さい。」
「すがちゃん・・・そこまで私のことを・・・・?」
「だって、友達でしょう?」
いろいろあったけど、こうして仲良くなれた。
危険だとわかってる場所に、大事な友達を1人で行かせられない。
菅原凛にできる調査なんて、たかがしれている。
何もつかめなくてもいい。
(友達のよっちゃんを無傷で守れるなら、それが一番大事だもん。)
それが菅原凛として出した答えだ。