彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)



よっちゃんが飲み物を買いに行ってくれてる間、お言葉に甘えて椅子に腰かける。



(・・・・・・来てよかったかな・・・・・・・?)



いつもなら、この時間は凛道連になって瑞希お兄ちゃんのところに向かっている時間だ。

それを友達の・・・裏カジノの調査に使うって言うのも・・・



―すがちゃんが優しすぎてつらいよ!本当にありがとう!―



(私は・・・・・優柔不断なだけよ・・・・・)



友達思いなんかじゃないよ。

もしそうなら、今頃、もっと友達がいた。

一緒にいじめられたくないからと、裏切られることもない。



(やめよう・・・もともと、友達付き合いも『うわべ』だけだったし・・・・)



マキちゃんと夏美ちゃんばっかり、責められるわけじゃない。



(だけど・・・凛道連の姿で声かけた時、妙に甘ったるいトーンで、媚(こ)びてきたのはムカつくけどね・・・!)





「凛子ちゃ~ん、お待たせ!ジュース持ってきたよぉ~」



そうそう!そういう声の調子だったわよ!



「わぁ~ありがとうぉ~♪」



そうそう!こういうネコナデ声で・・・・ん?どこかで聞いたことのある声のような・・・?



思わず、声のした方を見る。

目に入ったのは、1人の美少女をチヤホヤする男達の群れ。





「モデルのナデシコちゃんに似てるだけで、こんなに優しくしてもらえるなんてぇ~オリジナルに悪ーい♪」

「「「「「本物よりかわいいよぉ~」」」」」

「がっ!?」





のぼせながら声をそろえる男達の視線の先にいたのは、髪型は違うけど見たことがある子。





「えー凛子うれしーい♪」

(ま、ますみちゃん!!?)





手のかかる妹系の友達、一之瀬ますみちゃんだった。



〔★変身済みのますみが現れた★〕




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