彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)



「さなちゃんの言う通り、小学生の被害者も多くてな。」

「ちょっと意外ですね・・・。」

「なにがだい、チョコちゃん?」

「その・・・いくら小学生のスマホ持ちが当たり前と言ってても、親御さんがチェックしたり、そういうゲームはできない契約プランに加入してるから、出来な――――――あ・・・!?」



そこまで言って思い出す。

出来ないこともなかった、と。



「お店のタブレットやパソコンで登録して、遊んでいれば問題ないですね・・・」

「そういうことか!?」

「そういうこと!」



納得する私と瑞希お兄ちゃんに会長さんは言った。



「ゲームをするためのIDの登録さえしてれば、自分のスマホからアクセスしなくてもいい!スマホチェックをする親の目をごまかせる!1人で楽しむのはもちろん、友達と一緒だから大丈夫っていう安心感を持てちまうのもよくねぇな!」

「みんながしてるから、自分も・・・という心理ですね。」

「さすがチョコちゃん!物わかり良いなぁ~!」



私に優しい言葉をかけると、丸山さんが持ってきた氷入りのウーロン茶に、口をつけながら言う会長さん。



「親も1人の人間だからよ、監視するにも限界がある。ゲーム中毒がひどい子になれば、ゲームにアクセスする人数が増える夜間までやる子も出てきてる。塾で自習して帰るってウソついて、『GREAT STAGE』の店で遊んでる子までいるそうだ。」

「あ・・・なるほど。」



私もそれやってるからわかる!



(塾の自習室で勉強してたってことにして、瑞希お兄ちゃんのところに通ったもんね。今もごまかしながら来てるけど。)



〔★凛は身をもって体験していた★〕







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