彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)
「あの!・・・渡瀬さんと会長さんと丸山さんに・・・わかる範囲で教えて頂きたい事があるのですが・・・」
「なに?」
「何でも聞いてくれ!」
「俺にわかることなら話す。」
「実は――――――僕と瑞希お兄ちゃん・・・瑠華さんに映画のチケットを譲ってもらったのですが・・・」
「ああ、聞いてるよ?」
「それがどうかしたのかい?」
「なにが気になるんだ?」
「あの時、瑠華さんは・・・高校生ぐらいの女の子と一緒にいたのですが・・・」
「そういやいたな。」
私の言葉に瑞希お兄ちゃんが反応する。
「鳴海瑠華と一緒に、女のガキがいたな。顔隠すようにコソコソしてた子か?」
「はい、瑞希お兄ちゃん。その女子高生と瑠華さんがどうな関係なのかと思いまして。」
「凛の知り合いか?」
「いいえ。」
(知り合いじゃなくて友達。)
菅原凛の親友にあたる子。
だからこの場合否定する返事をしてもウソにはならない。
なので、堂々と否定してから言った。
「身内や友達関係ならいいのですが、もしも・・・」
もしも、2人の付き合いが、『GREAT STAGE』がらみだったら。
「凛はその子が、『GREAT STAGE』の被害者だと思ってんのか?」
私の言い分を察した瑞希お兄ちゃんが聞いてきた。
「・・・はい。」
「どうなんすか、渡瀬さん?」
同意すれば、話をNPOの代表者にふってくれる愛しい人。
「えーと・・・・」
瑞希お兄ちゃんの言葉に、ぐっと背伸びをしたかと思うと、数秒ほど天を仰いでから渡瀬さんは言った。
「オフレコだけど、そうだよ。」
「え?」
「その日、瑠華ちゃんと一緒にいた子は、最新の被害者。少女Yと呼ぼうかな。」
『Y』って、絶対『吉田』の『よ』の字だよね!?ローマ字の!
「クラスのリア充から声かけられて~流行りの課金タイプのゲームに登録して~ゲーム内で勝ちまくって、もうけたポイントでリア充達にいろいろおごることでちやほやされてたまでは良かったけど~だんだん勝てなくなって~リア充達から借金してまでポイントを稼ごうとした結果、借金抱えちゃったって子なんだよね。」
「そうでしたか・・・」
話が同じだ。
(やっぱり、よっちゃんのことだ・・・。)
〔★本人確認は完了した★〕