彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)



よっちゃんことだと、確信が持てたので聞いた。



「瑠華さんや渡瀬さんは・・・少女Yの借金は、どうするべきだとお考えですか?」

「親御さんに言うべきだ。」



即答で、まともな返事を返してくれた。



「Yちゃんについては、瑠華ちゃんと一緒に説得してたよ。今は、瑠華ちゃんが専門で話し相手になってるけど――――――最後にYちゃんと聞いた時には、親にバレずに借金を返すアテができたって聞いてたけど・・・・本当かどうか怪しいよ。」

「なら、大丈夫だと思います。」



きっと、借金を返すアテというのは私のことだと思う。私が協力してるから、大丈夫。

GREATSTAGEのお店の初ログインや新規登録で一緒に稼いでるので、完済は早いと思う。

それでも、念のために聞いては見た。



「Yちゃんのような被害だと、警察は動いてくれそうですか?」

「厳しいね。Yちゃんもだけど・・・他の被害者達も含めて、証拠がないから事件になってないからね。」

「え!?つまり・・・誰も被害届を出してないってことですか?」

「そういうこと。」

「では、事件にするにはどうすればいいですか?」

「また難しいこと聞くねー?」



私の問いに困った笑みを浮かべる渡瀬さん。



「難しいですか?」

「難しいよ。みんな、龍星軍が倒したMESSIAHの件で警戒してるから、悪いことするのに慎重になってる。『GREAT STAGE』は、すごく用心深いと思うよ。犯罪の証拠であるログとか、復元できないようにしてたりするから。」

「ゲームセンターなら、補導が入れば一発でKOできませんか?」

「その補導の先生を自由に出入りOKにしてるのが、『GREAT STAGE』のすごいところだよ。」

「会員制なのに出入り自由!?」

「そうなんだよね~!」



聞き返せば、悔しそうな顔で言われた。





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