彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)
「しかも、普通のゲームセンターより安全だと言う意味で、開店当初から16歳未満は18時に、20歳以下は20時には帰して、21時には閉めてるっていう健全ぶりなんだ。」
「それだと正攻法じゃ・・・事件どころか、捜査も何もしてもらえないんすね。」
どうしたものかと考えていれば、それまで黙っていた男性が口を開いた。
「可能性があるとすれば、闇カジノ側から、別件でいいから逮捕者が出ればいい・・・。」
「丸山さん!?」
「テレビのドラマをどこまで信用していいかわからないが・・・別件で逮捕して、芋ずる式に悪事がバレるって手段が使えるなら――――――違法な闇ネットカジノを摘発(てきはつ)できるだろう。」
「別件・・・」
「おお!良い考えだ、丸ちゃん!それでいくか!?」
「ちょっとダメだよ、大原会長!チョコちゃんの前でなんてこと言うんだよ!悪人捕まえるために、自分たちまで悪人になる必要ないでしょう?犯罪のでっち上げはダメだよ?」
「そうっすよ!凛が真似したら困るじゃないすか!?」
(真似したらダメなのか・・・・)
面倒だから、罠にかけようと思ったけどNGですかぁ~
「丸ちゃんも、変なこと言っちゃだめだよ?気持ちわかるけどさ~?」
「いや、例えばなしで言っただけで・・・・悪かった。」
「気にすんな、丸ちゃん!俺の代わりによくぞ言ってくれた!!うまい具合に、敵がぼろを出してくれればいいんだけどな~!」
「そんな都合のいい話はないっすよ、会長?同じ意見ではありますけど。」
ガハハハッと笑うおじいさんに、瑞希お兄ちゃんも同意した時だった。
カラカラ~!
「邪魔するぜ!」
「こんばんは~」
「ちょっといいですか?」
お店の出入り口が空き、3人の人間が入ってきた。
それに反応するように、渡瀬さんが口を開く。
「あ、すみませーん!今日は貸し切りなんです。」
「あ?そうな・・・あ!?坊主!?」
「あ!?おじさーん!?」
私を坊主と呼んだのは、フジバラさんだった。
〔★ウワサをしたら現れた★〕
そんなおじさんの左右には、見覚えのある2人が・・・
「凛道蓮がなぜここに!?」
「真田瑞希も一緒とは・・・」
一緒にいるのは、おじさんと行動を共にしてる刑事さん達だった。