彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)



「しかも、普通のゲームセンターより安全だと言う意味で、開店当初から16歳未満は18時に、20歳以下は20時には帰して、21時には閉めてるっていう健全ぶりなんだ。」

「それだと正攻法じゃ・・・事件どころか、捜査も何もしてもらえないんすね。」



どうしたものかと考えていれば、それまで黙っていた男性が口を開いた。



「可能性があるとすれば、闇カジノ側から、別件でいいから逮捕者が出ればいい・・・。」

「丸山さん!?」

「テレビのドラマをどこまで信用していいかわからないが・・・別件で逮捕して、芋ずる式に悪事がバレるって手段が使えるなら――――――違法な闇ネットカジノを摘発(てきはつ)できるだろう。」

「別件・・・」

「おお!良い考えだ、丸ちゃん!それでいくか!?」

「ちょっとダメだよ、大原会長!チョコちゃんの前でなんてこと言うんだよ!悪人捕まえるために、自分たちまで悪人になる必要ないでしょう?犯罪のでっち上げはダメだよ?」

「そうっすよ!凛が真似したら困るじゃないすか!?」



(真似したらダメなのか・・・・)



面倒だから、罠にかけようと思ったけどNGですかぁ~



「丸ちゃんも、変なこと言っちゃだめだよ?気持ちわかるけどさ~?」

「いや、例えばなしで言っただけで・・・・悪かった。」

「気にすんな、丸ちゃん!俺の代わりによくぞ言ってくれた!!うまい具合に、敵がぼろを出してくれればいいんだけどな~!」

「そんな都合のいい話はないっすよ、会長?同じ意見ではありますけど。」



ガハハハッと笑うおじいさんに、瑞希お兄ちゃんも同意した時だった。



カラカラ~!

「邪魔するぜ!」

「こんばんは~」

「ちょっといいですか?」



お店の出入り口が空き、3人の人間が入ってきた。

それに反応するように、渡瀬さんが口を開く。



「あ、すみませーん!今日は貸し切りなんです。」

「あ?そうな・・・あ!?坊主!?」

「あ!?おじさーん!?」



私を坊主と呼んだのは、フジバラさんだった。



〔★ウワサをしたら現れた★〕



そんなおじさんの左右には、見覚えのある2人が・・・



「凛道蓮がなぜここに!?」

「真田瑞希も一緒とは・・・」



一緒にいるのは、おじさんと行動を共にしてる刑事さん達だった。





< 611 / 922 >

この作品をシェア

pagetop