彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)





(なんとか、この状況を改善するようなことが起きてっ!)



そう願った時だった。





ガラガラガラ!

「見つけたぞ、小僧!」

「え?」



乱暴に出入り口の戸が開いたと思ったら、3つの人影が飛び込んできた。

それを見て、思わず、あ!?と声をもらす。





「ピアス3兄弟さん?」

「「「兄弟じゃねぇよ!」」」




ハリセンボンの春菜さんが『角野卓造(かどの たくぞう)じゃねぇーよ!』という時の口調で声をそろえる3馬鹿。



「兄弟じゃないなら・・・3馬鹿トリオでいいですか?」

「馬鹿ってなんだコラ!?」

「名前で呼べやコラ!」

「知ってんだろうが!?」

「失礼しました。鼻ピアスの奥迫さん、口ピアスの山崎さん、耳ピアスの福場さんですね?」

「「「そうだ!」」」

「僕、凛道蓮と言います。」

「「「知ってるよ!!」」」

「でしたら、話は早いですね?前回のあいさつで、僕が龍星軍の4代目頭とわかったと思いますが、まだ御用ですか?」

「ハハン!調子に乗るのもそこまでだ!」



言ったのは鼻ピアス。



「お前の部下が無能だから、俺達が直々に凛道蓮を迎えに来たんだ!一緒に来てもらうぜ!?」

「わっ!?」



そう言いながら、私の手をつかんできた。



「なにしてんだ!?」

「チョコを放せ!このっ!」



ドン!



瑞希お兄ちゃんが怒鳴り、私を助けようと、丸山さんが鼻ピアスにタックルしてくれたけど・・・・



「うるせぇ!」



ドドン!



押し返された。



〔★力が足りなかった★〕



「うわっ!痛てぇ~!?」



盛大なしりもちをつき、痛みで蚊をゆがませる丸山さん。



「丸山さぁん!」

「このもやしが!」



私の悲鳴と、鼻ピアスの声が重なる。



ゲシゲシ!

「うわ!」

「丸山さぁんっ!」



床に倒れた丸山さんを鼻ピアスが、数発の蹴りを入れる。








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