彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)
「やりましたね、瑞希お兄ちゃん!これで『GREAT STAGE』の捜査できるかもですよ!?」
「そいつはどうかな・・・」
悪い奴らが連行される様子を、浮かない顔で見ながら瑞希お兄ちゃんは言った。
「あれは下っ端だ。オレオレ詐欺と同じで、指示を受けて実行してる奴を捕まえても、いくらでも変わりが補給できる。黒幕を捕まえないと意味がない。」
「うん、それで僕らは困ってるんだ。」
「渡瀬さん。」
声をかけてきたのは、NPOの代表。
「本当に悪い奴を、捕まえてもらうことができないから。」
「フジバラさんは・・・あの人は容赦ないから、確実に捕まえてくれると思う。ただ問題なのは・・・フジバラさんが動けるのは『法律の範囲内で』ってことだ。」
「法律の範囲内・・・?」
「そう。けっきょく、『GREAT STAGE』の幹部の犯罪の証拠がないから、灰色ゾーンってことで、警察が手出しできないんだ。」
「そんな・・・」
「バラさんもそれがわかってるから、不満そうにしてるんだぜ?」
現行犯逮捕に、岩倉は得意げだったけど、バラさんはムスっとしてる。
店長さんが、お任せ定食をお弁当にして持たせてくれているのに、固い笑顔しかできないでいる。
「同じ『GREAT STAGE』でも、逮捕できるのは下っ端(したっぱ)ばっかり。上手くいかねぇもんだろうな。」
「そうですね・・・」
瑞希お兄ちゃん達の話を聞きながら、警察の人も大変だと思った。
〔★凛も、その大変な原因の1人である★〕
~カジノサバイバル!悪いやつにはお仕置きを!!~完~