彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)



「最後に・・・あなたは、永山偉人がまとめているGREATSTAGEが、違法なネットカジノで、あなたのような同世代をだましてると聞いてもなお、小村さやかたちとかかわっていますが・・・それでいいと思ってるのですか?」

「よ、よくはないけど・・・・でも、またいじめられるのは嫌です!」

「・・・匿名で、警察に通報することもできますよね?」


「あ!?わかった!」





その言葉でピンときた。

どうして、凛道蓮が私のことを知っていたか。





「瑠華さんね!?瑠華さんが、私のことを凛道さんにバラしたのね!?」

「瑠華さん?」

「とぼけないで下さい!NPO法人ミライの鳴海瑠華です!私、あの人にゲームの借金の子と相談したんです!なにが、個人情報は守りますよ!?守れてな―――――」


「―――――――――ひゃはははは!!!」





守れてないと言い切る前に、怖い笑い声が上がる。





「ひゃははは!はーはははは!!」

「り、凛道さん・・・?」





声を発した相手を呼べば、肩を震わせながら彼は言った。





「そーかぁ~!?NPO法人未来の鳴海瑠華に聞けばいいのかぁ~!?ありがとよ、おしゃべりさ-ん!?」





冷たい声で言い放つと、私に背を向けて歩き始めた。





「ま、待ってください!」

違ったの!?

(瑠華さんがしゃべったんじゃないの!?)



「私のこと、瑠華さんから――――」

「誘拐未遂の被害者だ。」

「え!?」

「だーから!鳴海瑠華は、『GREAT STAGE』の人間に誘拐されかけた被害者だって言ってんだよ。」

「瑠華さんが!?」

「知らないのか?映画館に一緒に行った関係なのに~?」

「ど、どうしてそんなに詳しいの!?誰から聞いたのよ!?」


「教えない。」





首だけでこちらを見ながら暴走族の総長は言った。





「お前のような卑怯者に教える義務はない。この後、お前がどうなろうと、俺は、知・ら・な・い。」

「え・・・?」

(なにそれ?まるで、見捨てるような言い方・・・!?)





でも、龍星軍とケンカした相手は、全部消えてる。

しかも、明らかに悪い奴らばかり。

小村が悪だってことは、私が一番よく知ってる。

じゃあ、小村達をつぶすの?違う!GREATSTAGEをつぶすんだ。





(そうなったら、私はどうなるの――――――!?)





パニくる頭で考え、恐ろしい結論が出た。









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