彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)
手のひら返しがひどいと思った。
お使いをヤマトに任せ、私は吉田都司子を待ち伏せした。
彼女は、詳しい内部事情を全部しゃべってくれた。
スパイまですると言ってくれたけど、断った。
それはつなぐがするからいらない。
聞きたいことだけ聞いて、確認すべきことだけ確認する。
(これが吉田都司子の使ってるアカウントか・・・)
こんせきを残さないため、自分のスマホに手動でメモする。
アドレスを知られたくなかったので、1文字1文字自分で入力した。
指紋を付けないために、手袋をしての作業だった。
(あとは・・・こいつのアドレスを使って、ちーちゃんにゲームへアクセスしてもらおうかな・・・)
凛道蓮に、こびている間に。
「ありがとうございました。スマホ、お返ししますね。」
「は、はい!」
丁寧にお礼を言えば、赤い顔でうなずく吉田さん。
「あの、凛道さん!LINE交換はして下さらないのですか?」
「しませんよ。」
「え!?じゃあ、どうやって連絡を取ればいいのですか!?」
「連絡取りあう必要、ないでしょう?」
「えっ!?」
「それでは、さようなら。」
「ま、待って下さい!」
再び引き止められる。
面倒だったけど答えることにした。
「何か質問でもありますか?」
「ありますよ!私を守ってくれないのですか!?」
「なぜ、あなたを守らなければいけないのですか?」
「え!?だって・・・話が違う・・・!?」
「なにも違いませんよ。」
出来るだけ冷静に伝えた。
「あなたは、人1人を売った外道です。僕が大嫌いな種類の人間ですよ?」
「ええ!?そんな!ひどい!」
「ええ、だまして、エッチな動画を取ろうとしましたもんね。」
「あ!?ちが!違います!あれは命令されて~しかたなかったんです!」
知らないこととはいえ、本人相手に『しかたなかった』と言い切る女にイラっとした。