彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)
「悪いことしたって、わかってます!わかってますけど~助けて下さい!このまま小村さん達が、私をいじめないままでいるとは思えないんです!」
「菅原さんを差し出してるのに、安全が保障されないと言うことですか?」
「そうですよ!お願いしますよ!」
「・・・そういう言い方は、おかしいでしょう?」
「あ、生意気な言い方でごめんなさい!図々しいのはわかってますが、本当に仕方なかったんです!私が悪かったです!ごめんなさい!ごめんなさい、凛道さ――――――!!」
「―――――――言う相手違うだろう!!?」
「ひっ!?」
我慢する予定だったけど、出来なかった。
「お前の身代わりになった子に、わび入れるのが筋だろうが!!」
(それなのに、自分は悪くない、助けて下さいと―――――!!)
「裏カジノの本部に投げ捨てるぞ!?」
(なんて、ずうずうしいんだろう!!)
「す、すいません!すいません!」
吉田都司子の言葉は、聞くに堪えられなかった。
謝る相手を無視して、今度こそ帰ろうとしたら
「行かないで!」
腕にしがみつかれた。
「私、どうなるんですか!?」
「はあ!?知らねーよ!!」
全力で、素早く、吉田都司子を振り払う。
「このごにおよんで、自分の心配だけかよ!?」
振りほどいた動作で、相手がしりもちをついて座り込んだがどうでもいい。
「だ、だってだって!見逃してもらえたと思えない!助けてください!」
「菅原凛がそう言った時、お前は助けたのか?」
「!?それ、は・・・!!」
「・・・・お前が一言でも、『菅原凛に悪いことしました、ごめんなさい』と言えば、考えてやったのによー」
「えっ!?あっ!?わ・・・悪いと思ってますっ!すがちゃんに謝りますからー!!」
「もうおせーよ!!」
聞きたくない!これ以上はもうたくさん!
「人に言われる前に、テメーで気づけやっ!!」
舌打ちして、この数か月で鍛え上げたガンを、メンチを切りながら告げる。