彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)





「誰がオメーみたいな、草食系の中身のくさった奴を助けるか!!しっかり苦しめ!!」

「そ、そんな~~~!!」

「お前、自分のことが大事なら、今日のことは、小村と渕上とGREATSTAGEに言わねぇー方がいいぞ?マジで自殺行為になることだけ教えといてやる!」

「た、助けて!助けてよ、ねぇ!?龍星軍の総長は、情に厚くて、女には優しいんでしょう!?助けてくれなかったら、優しくなかったって言いふらすよ!?」

「好きにしろ。」

「え!?待って、ごめんなさい!違うの!ごめんなさい!ごめんなさい!本当にごめんなさい!!」

「しつけーぞ!!?」





反省なんかしてないと判断できる態度。

本当に、自分さえよければいい人間なのだとわかった。





「他人を犠牲にしなくても、助かる手段はいくらでもあっただろう?親に話すことも、警察に行くこともできた。NPOの瑠華さんだって、そんなアドバイスをしてくれたんじゃねぇーのか?怒られたとしても、それは一時(いっとき)のことだ!その選択を選ばなかったテメー自身を、恥じろ!!」

「わ・・・わかったから!わかりましたから!助け――――!!」

「うるせぇ!!!」





ダン!と、クツ底で地面を叩きながら言えば、相手は涙と鼻水で汚れた顔で固まる。







(さようなら、よっちゃん・・・吉田都司子。友達で、親友で、お芝居が上手だった残念な人・・・!)







二度と騙されないと心に誓いながら、ゆっくりとその場から離れた。

後ろから、大きな泣き声が聞こえたけど無視した。

無視出来た。








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