彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)





吉田都司子に別れを告げ、しばらく夜道を歩いた。

待ち合わせの場所まで無言で歩く。

途中、何度か後ろを振り返ったのは、バカ女がついてきてないかを確認するためだった。

誰もついてきてないことを確かめながら、周囲を気にしながら進む。

そうやって進んだ先に、買い物袋をバイクのハンドルにひったけてまたがっているヤマトが待っていた。





「うははは!こっちや、りーん!」

「ごめん、ヤマト!買い物を押し付けて・・・本当にすみませんでした。」

「かまへん!かまへん!アホの子を、ちゃんと無視して、救えたかいなぁ~!?」

「え?無視して・・・救えたって?・・・・どういう意味??」





無視はわかるけど、救えたって何?





「僕、しっかり見捨ててきたんですが?」

「うははは!それでええねん!」





私の問いかけに、ヤマトは楽しそうに答える。





「助けることだけが救いやあらへん!時には見捨てることも救いやねん!せやから、凛のしてきたことは『無視』と『救い』やねん!どや!?」

「――――――・・・そういう考えたかもあるんですね・・・。」





ヤマトの言葉に、親友の考え方に、自分も救われた気がした。





「ありがとう、ヤマト・・・」

「うははは!かまへん、かまへん!さあ、後ろに乗り!」





私の頭をナデナデすると、バイクの後部座席をポンポン叩きながら言う親友。

もう一度だけ、「ありがとう。」と伝えて、ヤマトの単車の後ろに乗る。

バイクは派手な音を立てながら、瑞希お兄ちゃんが待つ場所へと発進した。













~仕返し上等!!だまし討ちにはだまし討ちを!!~完~










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