彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)
つらくて、悔しくて、悲しくて、怖くて・・・負の感情で私が壊れそうになるから――――――――――!!
「イヤだから―――――――考えないようにしてたのに・・・!!」
「・・・そういうもんだ。」
私の言葉を否定することなく、瑞希お兄ちゃんは言った。
「嫌なことを消すのは難しい。なかったことにはできないから、忘れる努力をするしかねぇ。」
「お兄ちゃんも・・・努力してるのですか・・・?」
「してるな。考えてもどうにもならねぇーことは、考えないようにしてる。考えて解決できるならいいが、できないならその問題を意識しすぎないように・・・凛もしてみようぜ?」
「できるでしょうか・・・?」
「凛ならできる。」
優しく言われ、抱き寄せられ、目元がじんわりと熱くなる。
「・・・・・・・うっ・・・・・!」
「・・・なにがあった?」
「つ・・・つらいことが・・・・ありました・・・」
自分の声が変だ。
というよりも、泣いてるみたいな声だと思った時、目から涙が出ていた。
「すごく・・・悲しくて、悔しくて、嫌なことです・・・!今も、僕を苦しめます・・・!」
「そうか・・・・。」
「人間が・・・他人が信じられなくなりそうです・・・」
「そういうこともある。」
「でも!でも・・・瑞希お兄ちゃんやみんなのことは・・・・信じてます・・・!信じられる・・・!」
「俺も凛を信じてる。ありがとな、凛?」
「っ――――――――――――――――うわぁああああああん!!」
我慢できなかった。
瑞希お兄ちゃんの腕の中で、声をあげて泣いた。
涙が止まらない。